CCC(Cash Conversion Cycle)

CCC(=Cash Conversion Cycle:キャッシュ・コンバージョン・サイクル)とは、企業が原材料や商品仕入などへ現金を投入してから最終的に現金化されるまでの日数を示し、資金効率を見るための指標です。CCCは小さい方ほど資金効率は良いということができます。

簡単な例を使って説明しましょう。

ある日(0日とする)にあなたは100万円分の商品を信用(掛け)でX社から仕入れます。商品の仕入から30日後に仕入先であるX社に対して買掛金100万円を支払います。さらに30日が経過して、Y社に200万円で販売することができました。ただし、Y社への販売は信用(掛け)での取引のため、Y社から売掛金を回収できるのは販売から45日後だとします。

商品を仕入れてから売掛金回収するまでに105日かかっています。この期間を営業サイクルといいます。つまり、営業サイクルとは、商品を仕入れてから、販売し、そして代金回収するまでの期間です。

CCC

また、商品を仕入れてから販売するまでの期間を棚卸資産回転期間、販売してから、実際に代金(売掛金)を回収するまでの期間を売上債権回転期間といいます。上記の例では、棚卸資産回転期間が60日、売上債権回転期間が45日になっています。営業サイクルは、棚卸資産回転期間と売上債権回転期間を合計したものとも言えます。

また、商品を仕入れてから、代金(買掛金)支払いまでの30日間を支払債務回転期間といいます。あなたは、30日後に仕入先に100万円を支払わなければならない一方で、200万円の代金を回収できるのは、105日後です。つまり、その間の75日間(=105日-30日)は、100万円をなんらかの形で用意する必要があります。この期間がCCCであり、次のように定義することができます。


CCC=営業サイクル-支払債務回転期間=棚卸資産回転期間+売上債権回転期間-支払債務回転期間=105日-30日=75日


CCCは、キャッシュインとキャッシュアウトのギャップが生じる期間ともいえます。企業はキャッシュのギャップをなんらかの方法(手元現金、借入等)で手当てする必要があります。棚卸資産回転期間、売上債権回転期間を短く、支払債務回転期間を長くすることでCCCを短縮することができます。今、エクセレントカンパニーと呼ばれる企業の多くがこのCCCの短縮化を推進しています。

CCCを財務諸表から算定するには、貸借対照表と損益計算書から、棚卸資産回転期間、売上債権回転期間、支払債務回転期間を算出する必要があります。まずは、貸借対照表上の売上債権(受取手形、売掛金)、棚卸資産、支払債務(支払手形、買掛金)の期首、期末残高から、平均残高を計算します。損益計算書からは、売上高と売上原価の情報が必要です。具体的にみてみましょう。まず棚卸資産回転期間の計算です。

CCC3

この会社の場合は、年間の売上原価(≒仕入)が775,000百万円です。これに対して、期中の棚卸資産の平均残高が121,000百万円であることから、この会社の棚卸資産は年間で約6.4回(=775,000/121,000)回転したことになります。このとき、この6.4回を棚卸資産回転率といい、次の式で定義できます。

棚卸資産回転率=売上原価/棚卸資産平均残高=775,000/121,000=6.4回

この数字の意味をざっくり言うと、この会社は年間、棚卸資産を6.4回仕入れて、販売したことを意味します。棚卸資産回転期間は、次のように57日と計算できます。

棚卸資産回転期間=365日/棚卸資産回転率=365/6.4=57日

同様に売上高895,000百万円に対して、売上債権平均残高は147,000百万円です。このとき、細かいことを言えば、売上高は、現金取引はなく、すべて信用取引と考えています。この時、売上債権は年間で約6.1回回転したことになります。この6.1回を売上債権回転率といい、次の式で定義できます。

売上債権回転率=売上高/売上債権平均残高=895,000/147,000=6.1回

売上債権回転期間は次のように60日と計算できます。

売上債権回転期間=365/売上債権回転率=365/6.1=60日

結果的に商品、あるいは原材料を仕入れてから、売上代金を回収するまでの期間である営業サイクルは、棚卸資産回転期間と売上債権回転期間を合計して、約117日であることがわかります。

次に支払債務回転期間を計算してみましょう。
年間の売上原価(≒仕入れ)は775,000百万円でした。これに対して、支払債務の平均残高が115,500百万円だったことから、この会社の支払債務は年間で約6.7回(=775,000/115,500)回転したことになります。このとき、この6.7回を支払債務回転率といい、次式で定義できます。

支払債務回転率=売上原価/支払債務平均残高=775,000/121,000=6.7回
したがって、支払債務回転期間は、次のように57.0日と計算できます。

支払債務回転期間=365日/支払債務回転率=365/6.7=54日

CCC=営業サイクル-支払債務回転期間=棚卸資産回転期間+売上債権回転期間-支払債務回転期間=117日-54日=63日

以上から、この会社のCCCは63日と求められ、仕入代金を支払ってから、売上代金を回収するまでに平均63日間の遅れがあることがわかります。


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