ソニーが現金収支重視をIR発信

2018年3月期に20年ぶりと言われる営業利益5,000億円を達成する見込みのソニー。2017年10月19日付の日経新聞によれば、財務とIRを担う村上敦子執行役員は「次はCF」を強調しているそうです。

同社がキャッシュフローに着目するのは、2次電池など不採算事業からの撤退が一巡し、本業のエレクトロニクス部門が安定的に利益を生むことができるようになった今、今後は企業価値向上に焦点を合わせるという意思表示とも考えられます。

ソニーが開示するのはネット資金残高の増減の原因を営業CF、投資CF、その他のCFで表したものです。ここでの特徴は借入金の増減は考慮していないということです。ちなみにネット資金残高は「現預金-借入金」と定義されます。

出典:ソニー株式会社 2017年度 第1四半期連結業績概要

借入金増減を考慮しないことについて、村上氏は「借り入れを増やせば手元資金が増えるのは当たり前」と述べています。あくまでも、事業に関連する現金増減の要因が重要だということなのでしょう。

ソニーは94年にキャッシュフローに注目し設備投資を厳選、94年3月期に3%弱だった営業利益率を98年3月期には8%に改善しました。ところが、2000年代になって半導体投資を加速し失敗したという経緯があります。同じ失敗は繰り返さないと考えていることでしょう。

ただ、キャッシュフローという業績指標にあまりにも注意が行き過ぎると、マイナスの影響も出てくることに注意する必要があります。

つまり、足元のキャッシュアウトを少なくしようとして長期的な投資を犠牲にする可能性があるということです。例えば、研究開発投資です。現場がキャッシュフローを重視するあまりに、研究開発費を減らしたり、すぐに成果がでそうな少額な研究開発投資ばかりやり始める可能性が出てくるのです。

このあたりをソニーがどのように社内でバランスをとるのかは大変興味があるところです。

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