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名目金利と実質金利

名目金利とは、日頃私たちが使っている金利のことをいいます。銀
行の定期預金金利が3%だなんていう時は名目金利を指します。
見かけの金利と言ってもいいかも知れません。

実質金利とは物価の上昇率を加味した実際の金利です。名目金利か
ら期待インフレ率を差し引いた次の式で概算の値が計算できます。

実質金利=名目金利-期待インフレ率

例えば、今の銀行の定期預金金利が3%の場合、期待インフレ率が3
%なら、定期預金の実質金利は3%-3%=0%となるわけです。

実質金利が0%というのがイメージできないかも知れません。こん
なときは、具体的に考えてみましょう。

自分の大好きな車が今100万円で売られているとします。あなたは
その車を買うのは1年後にすることにして、100万円を銀行に預ける
ことにしました。

1年後にあなたが銀行から受け取る金額は103万円です。なぜなら、
利子が3万円(=100万円×3%)つくからです。

あなたはその103万円をもって販売店に向かいました。車を買った
後は、お祝いに3万円の豪華なディナーを食べようと考えています。

さて、車の値段はいくらになっているのでしょうか。そうです。期
待インフレ率が3%ですから、同じ車が103万円で売られているはず
です。

ディナーにいくはずの3万円は、車の値段が3万円高くなったおかげ
で消えてなくなってしまったわけです。あなたの手元には大好きな
車が残りました。でもこれでは1年待った意味がないわけです。

1年かけて100万円を運用したものの、その利子は手元からなくなっ
てしまった。あなたにとって実質的な銀行金利は0%ということに
なります。

鋭いあなたはこう言うでしょう。

『今の日本は物価が下落するデフレの状況だよ。だったら、実質金
利は高くなるはずだね』

その通りです。仮に今の日本の物価上昇率をマイナス2%としまし
ょう。どんどんモノが安くなっている状況です。こんな状況では、
定期預金の実質金利は3%-(-2%)=5%となるわけです。

超低金利と言われているのは、名目ベースのお話であって、実質
ベースではそれほど低いわけではないのです。このように常に実質
金利ベースで考えてみる姿勢は大切です。

 

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