フリーキャッシュフローとIRR

フリーキャッシュフローには、スポンサーとレンダーに帰属するFCFF(Free Cash Flow for the Firm)と、スポンサーに帰属するFCFE(Free Cash Flow to Equity)があります。

収入(Revenue)から事業費(OPEX)を差し引いたものがEBITDA(Earnings Before Interests and Tax, Depreciation &Amortization)です。そこから投資額(CAPEX)、税金(Tax Payment)を差し引くとFCFFとなります。FCFFはデットサービス(借入元本返済と支払利息の合計額)に回せるキャッシュであることからCFADS(Cash Flow available for Debt Service)とも呼ばれます。CFADSはデットサービスの原資となるため、レンダーが最も重視するキャッシュフローです。CFADSからデットサービスを差し引くとFCFEになります。

フリーキャッシュフロー

上記の図のように運用期間中にプロジェクトカンパニーが生み出すキャッシュフローの充当順位を定めたものを、ウォーターフォール(またはカスケード)と言います。

フリーキャッシュフローを評価する際に用いられる指標がIRRです。FCFFから算出されるIRRをプロジェクトIRRと呼びます。また、FCFEから算出されるIRRをエクイティIRRと呼びます。

プロジェクトIRRは事業全体の収益性を評価するときに用いる指標です。事業全体の投資額と、デットサービスや投資分配を行う前のプロジェクトカンパニーのキャッシュフロー(FCFF:レンダーとスポンサーに帰属するキャッシュフロー)を用いて算出することから、事業開発の初期段階において、資金調達ストラクチャーを考えることなく事業全体の収益性を評価する指標として用いられます。

一方、スポンサーにとっては、資金調達の負債の比率を上げて、いかにエクイティのリターンを増やすかが重要になるため、エクイティIRRの方を重視します。
エクイティIRRはスポンサーの視点から事業の収益性を評価するときの指標と言えます。投資先において経営権を持てない少数株主の場合は、エクイティの投資額と、スポンサーに入ってくる配当額をFCFEとし、エクイティIRRを算出し、投資の判断をする場合があります。

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