日経ビジネス(2010.10.04)のインタビュー記事で、一橋大学大学
院の野中郁次郎氏が「Decision」と「Judgement」についてこう述
べています。
『企業経営において「Decision」よりも「Judgement」が問われる
時代になっています。決定を下すことを意味するDecisionに対して、
Judgementは自分の価値観に基づいて判断することです。
ある経営判断が求められる場面に遭遇した際、ビジネススクールで
勉強した経験があれば、最善と分析できる解は出せる。しかし、こ
れはDecisionです。
過去の事例をベースにしたものにすぎず、実際の状況を踏まえたも
のとは限らない。経営者に必要なのは、Judgementであり、それに
は周囲との関係性を正しく読むことが求められます。前提となるの
は経験と教養ですが、今の日本の経営者には教養が不足していると
言わざるを得ません。深い教養を身につけたリーダーの養成が課題
です』
こういう記事を読むと、やもすると「そうか、これからの時代は教
養が大事なのか」なんて私たちは考えてしまいがちです。
でも、野中氏は「Decision」が大事ではないとはこれっぽっちも言
ってはいません。要はバランスの問題であり、「Judgement」のた
めの教養を身につけるというのも、「Decision」ができることが前
提であることを私たちは忘れてはいけないですね。