PERとは、Price Earnings Ratioの略で日本語では、株価収益率と
呼ばれています。株価を1株当たりの当期利益で割ることによって
計算することができます。
また、分母と分子に発行済み株式を掛けてみると、株式時価総額を
当期利益で割ることによっても計算できることがわかります。
PER=株価/一株当たりの当期利益=株式時価総額/当期利益
株式時価総額は、株主価値を市場が評価したものですから、市場の
評価が正しいという前提に立つと、上場企業のPERを使って、未上
場企業の株主価値を算定することもできます。
たとえば、上場している同業他社のPERの平均に評価したい企業の
当期利益を掛けることによって、その企業の株主価値を算定するこ
とができるわけです。
株主価値(評価対象会社)
=同業他社平均PER×当期利益(評価対象会社)
このようにPERは非常にわかりやすいことから、一般的によく使わ
れています。とはいうものの、わかりやすく、簡単であることの一
方で、以下のような問題点があることに注意する必要があります。
- 市場の評価が正しいことを前提としている
- 同業他社の平均PERを使用することは、業界内の個別企業の優位性
を無視していることになる - 同業他社の選び方によって異なる結果がでる
- 会計上の当期利益を使用することから、特別損益の計上等により期
によって大きく変動する可能性がある
ざっと、思いつくまま問題点をあげてみましたが、こうしてみると、
今朝の日経新聞のコマツに関する「予想PER20倍で計算した株価が3
400円で、2500円台の株価は上昇余地が大きい」という記事がいか
にさまざまな前提のもとに書かれていることがわかるはずです。
私たちはこうしたことを念頭におきながら、このPERを使うべきで
す。