「リスクの本質は、この東洋の漢字がよくとられている」と言って、
ファイナンスの教授がスライドに映し出したのは、「危機」という
漢字でした。リスクには、危険と機会という二つの側面があるということです。
マネジメントゲームでは、順番に「意思決定カード」を引いていきます。カードの
中には、「リスクカードをひく」というものが混じっています。リスクカードには、
それこそ、工場火災、盗難、従業員の退職、機械のトラブルなど、さまざまな
ダウンサイドリスクがある一方で、研究開発成功、広告戦略成功、材料を低価格で
仕入可能などのアップサイドリスクがあるわけです。
つい先日のMGで、こんなことがありました。同じ卓の人がリスクカードで
工場火災のカードを引いてしまいました。それをみた別の人が「やったぁー」と
喜んだのです。競合会社の工場火災に喜んだのもつかの間、その人は続けて
リスクカードを引く羽目に。なんと、盗難に見舞われたのです。
人の不幸を喜ぶとそれはそのまま自分の身に降りかかってくる。マネジメントゲームの
魅力はそこに人生の真理が垣間見えるときがあるからです。