建設期間中に調達した借入金は運営開始後に返済が始まります。運営開始直後のキャッシュフローは厳しくなることが多いため、一定期間返済が猶予される返済猶予期間(Grace Period/Moratorium Period)が設定されることがあります。
返済方法は元金均等返済と元利金均等返済があります。元金均等返済は元金の返済金額が一定となるように返済する方法です。この場合は元金返済が一定であり、それに加えて利息額を返済する必要があります。
したがって、運営開始直後に、デットサービスが一番多くなることになります。元利金均等返済は、その名の通り、デットサービスの合計が一定になるように返済する方法です。元利均等返済の場合は、結果的に、利息の支払い額が元金均等返済の場合よりも増えることになります。
また、運営開始直後のキャッシュフローが厳しい時や季節要因があるなどキャッシュフローが安定しない事業の場合には、キャッシュフローに合わせて返済額を調整するDebt Sculptingと呼ばれる方法がとられることがあります。
Debt Sculptingはデットサービスに回すことができるキャッシュフロー(CFADS)に応じてデットサービスを決める方法です。レンダーからの条件(完済期日、DSCRの最低水準、借入上限額など)を最大限に生かすようにデットサービスを決めることができます。