DSRA(Debt Service Reserve Account:借入返済準備金口座)は、将来のデットサービス(借入元本の返済額+利息支払額)のために事前に十分な資金を積み立てておくために用いられます。通常、デットサービスの2四半期分を積み立てておきます。デットサービスの資金が不足した場合に、この口座の積立金を不足分の支払いに充当します。
DSRA開設時の積立金の調達方法は2通りがあります。一つはプロジェクトコストに含める方法、もう一つは事業運営のキャッシュフローから充当する方法です。建設終了時には翌期以降のデットサービスの2四半期分の金額を積み立てる必要がありますが、建設期間には事業から得られるキャッシュフローがないため、DSRA積立額をプロジェクトコストに含め、出資や借入で調達した資金で積み立てを行います。一方、運営期間には事業運営のキャッシュフローが入ってくるため、その資金からDSRAへ積み立てを行うこととなります。