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Amazon、成長の踊り場か

2022年7月28日にAmazonは2022年4~6月期決算を発表しました。主力の直営ネット通販部門は3四半期連続で前年同期間比較で減収となりました。創業者のジェフ・ベゾス氏のCEO退任から約1年がたちます。ついにAmazonは成長の踊り場を迎えたのでしょうか。

2021年度は新型コロナの巣ごもり消費を取り込むべく、物流倉庫や輸送網の拡大に約4兆円もの投資を実施してきました。これを2022年、2023年は3割減少させ、その減少分をAWSなどのクラウド関連に振り向けると発表しています。

後任のアンディ・ジャシー氏は今や稼ぎ頭となったクラウド事業を立ち上げから指揮した人物です。その実績を買われ、2021年7月にCEOに就任した経緯があります。ところが、Amazonの株価は年初来で28%下落しています。S&P500の下落率15%を上回る落ち込みで、株式市場の評価は厳しいものとなっています。

今のこの状況を創業者のジェフ・ベゾス氏であれば、何度も株主への手紙で引用した著名な投資家ベンジャミン・グレアムの言葉を引き合いに出すでしょう。「株式市場は短期的には投票機だが、長期的には計量器である」ジェフ・ベゾス氏が大切にしたのは「長期思考」です。1997年の上場した年の「株主への手紙」にはその哲学が色濃くでています。

We believe that a fundamental measure of our success will be the shareholder value we create over the longterm.(私たちはアマゾンの成功を判断する基本的は評価基準は、長期的に私たちが創造する株主価値であると信じています)

When forced to choose between optimizing the appearance of our GAAP accounting and maximizing the present value of future cash flows, we’ll take the cash flows.(一般会計原則に基づく財務諸表の見栄えをよくするか、将来のキャッシュフローの現在価値を最大化するかを迫られたときはキャッシュフローを優先します)

We will continue to make investment decisions in light of long-term market leadership considerations rather than short-term profitability considerations or short-term Wall Street reactions. (私たちは短期的な利益の追求やウォールストリートの反応よりも長期的なマーケットリーダーシップをとるために継続して投資を行います)

アンディ・ジャシーCEOはウォールストリートの反応を気にしたのか、多額の自社株買いを2022年3月に発表しています。果たして、Amazonはこのアンディ・ジャシーCEOのリーダーシップのもと、新たな成長カーブを描くことができるのか。今後の動向に注目です。

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