カテゴリー別アーカイブ: ファイナンス

貝殻(シェル)販売に歯止め

ついに米国でのSPAC上場に急ブレーキがかかりました。SPACとは、Special Purpose Acquisition Companiesの頭文字をとったものです。未上場企業を買収するのを目的として、上場するシェルカンパニー(ペーパーカンパニー)と言えます。SPACは買収企業が決まらないうちに上場することによって株式市場から資金調達するため、ブランク・チェック(金額欄が空白の小切手)カンパニー … 続きを読む→

パナソニックの決断

2021年4月23日付、パナソニックは、サプライチェーン・ソフトウェアの専門企業、Blue Yonder(ブルーヨンダー)を買収すると発表しました。パナソニックは2019年11月にはすでにBlue Yonderとの合弁会社を国内に設立し、20年春には860億円を投じて出資比率を20%としていました。今回は80%分の株式を追加取得し完全子会社化するものです。 日経新聞によれば、パナソニック自身が20 … 続きを読む→

ベンチャー企業を評価する

コーポレートベンチャーキャピタル(CVC: Corporate Venture Capital)という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。これは、事業会社が自社内にベンチャー企業に投資するために設立したファンドのことを指します。CVC隆盛と言われる時代のせいか、最近、事業会社の方からベンチャー企業の評価手法に関する質問を受けることが多くなってきました。 ベンチャー企業の価値評価は特殊と言えます … 続きを読む→

富士フィルムは強くなったのか

2021年3月31日、富士フイルムホールディングス(以下富士フィルム)は古森会長兼CEOが6月に退任すると発表しました。古森氏と言えば、デジタルカメラの普及で写真フィルム市場がほぼ消滅するなか、医療関連や事務機器を伸ばし会社を再生させた功績がある名経営者です。多くの電機・精密企業が市場の変化への対応が遅れるなか、強烈なリーダーシップで事業ポートフォリオの変換を行ってきました。 日経新聞によれば、古 … 続きを読む→

MSワラントは悪魔の資金調達なのか

新株予約権(ワラント)を活用した資金調達に踏み切る企業が増えています。新株予約権とは、簡単にいえば「あらかじめ決められた期間に、あらかじめ決められた価格(行使価額)で株を買える権利」のことをいいます。新株予約権を資金調達の手法として活用する企業が増えている最大の理由はコロナ禍です。資金繰りや債務超過の危機に陥った企業は、1株利益の希薄化が伴う公募増資は現実的に難しいわけです。そうなると残る手段は、 … 続きを読む→

東京製綱、日鉄の仁義なき戦い

東京製綱は2021年2月4日、日本製鉄によるTOB(株式公開買い付け)に反対すると発表しました。これにより、日本製鉄としては初めての敵対的買収となりました。日本製鉄が東京製綱に仕掛けたTOBは、現在9.9%の出資比率を19.9%に高めるというものです。 市場関係者を驚かせているのは、日本製鉄が東京製綱に事前相談もなく仕掛けたことです。日本製鉄と言えば、経団連の会長を何人も輩出したオールドエコノミー … 続きを読む→

誰も知らない未来予測の方法

このブログをお読みになっている皆さんにはファイナンスと会計の違いは言うまでもないでしょう。そうです。時間軸の違いがあります。ファイナンスの時間軸は「未来」です。一方で、会計は「過去」を扱います。決算書(BS/PL)の数字はあくまでも過去の企業業績という「結果」です。当たり前のことですが、「結果」をいくら眺めても、残念ながら「未来」は見えてきません。 世の中はすべて原因と結果の法則(因果律)で成り立 … 続きを読む→

企業価値向上のための資本コスト経営

2018年6月に東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを改訂しました。この改訂コーポレートガバナンス・コードでは、上場会社は企業価値向上のための経営戦略として、資本コストを意識した経営判断や経営運営を行うことが求められています。 「経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、自社の資本コストを的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標 … 続きを読む→

島忠買収の行方はいかに

ニトリホールディングス(以下ニトリ)が島忠獲得に向けて、TOB(株式公開買い付け)を実施すると10月29日に発表しました。これを受けて、すでに島忠に対してTOBを実施しているホームセンター業界2位のDCMホールディングス(以下DCM)はリリースを発表し、「島忠とは約5カ月にわたって相互の信頼関係を大切にし、お互いの事業価値を高めることについて慎重に協議を重ねてきた」こと、そして、「当社こそが島忠に … 続きを読む→

三菱重工が気にするべきコストとは

三菱重工業が国産初のジェット旅客機の事業化を凍結すると報じられました。小型ジェット旅客機「スペースジェット」は、すでに1兆円規模の開発コストをかけてきた事業です。このブログでも何度か取り上げています。三菱重工は、報道のあった翌日には「当社および三菱航空機の発表ではない」とコメント。引き続き開発スケジュールの精査を行うとともに、様々な可能性を検討しているとしています。 日経新聞には、元幹部の発言が紹 … 続きを読む→

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