カテゴリー別アーカイブ: ファイナンス

政策保有株の「便益」と「資本コスト」

前回のブログ「持ち合い解消進まず」で取り上げたことは、次のようなことでした。 ・上場企業による政策保有株の削減スピードが鈍っている ※政策保有株は持ち合い株式ともいう ・政策保有株は、企業にとっては、取引先との関係強化や安定株主づくりにつながる ・一方、株主にとっては、「もの言わぬ株主」が増えることによって経営の規律が緩んだり、資産効率が低下することになるので望ましくない ・金融庁が発表した「投資 … 続きを読む→

持ち合い解消進まず

2018年7月5日の日経新聞によれば、上場企業による政策保有株の削減スピードが鈍っているといいます。政策保有株とは、株式会社が相互に保有している株式のことをいいます。持ち合い株式ともいいます。 この政策保有株ですが、メガバンクは15年度から削減目標を定めて持ち合い解消に動いてきたものの、事業会社間の持ち合い解消は遅れているのです。 株式の持ち合いというのは、戦後、取引先との関係強化や安定株主づくり … 続きを読む→

三菱重工消えた4000億

三菱重工業が開発を進める国産初のジェット旅客機「MRJ」です。ところが、開発の遅れで5回、納入を延期し収益貢献のメドが立っていませんでした。遅かれ早かれ、減損損失を計上し、当期純利益がマイナスになってもおかしくはなかったのです。 減損損失とは、貸借対照表に計上している資産の簿価よりも評価額(その資産から得られるキャッシュフローの現在価値の合計)が小さくなると簿価を引き下げる会計ルールです。その引き … 続きを読む→

驚きの東芝の自社株買7,000億円

東芝が13日、7,000億円程度の自社株買いによる株主還元を可能な限り早く行うことを発表しました。 東芝は2016年12月米国子会社の巨額損失で債務超過に転落しました。2018年3月期で2年連続の債務超過になれば、上場廃止を免れなかったわけです。これを回避すべく、海外ファンドを中心に60社から6,000億円の増資を受けたのは昨年の12月ですから、まだ半年足らずです。 確かに東芝メモリ売却で1兆円の … 続きを読む→

期末主義と期央主義

まずは、NPV法による投資判断を考えてみましょう。下図をみてください。0年度に1,200を投資して、1年度目以降はキャッシュが入ってくるプロジェクトです。 ここで混乱しやすいのは、0年度の意味するところです。0年度というのは、言いかえれば、お正月の元旦と考えるとわかりやすいと思います。1年度は同じ年の大晦日をあらわします。2年度以降は、同じように大晦日をあらわしていることになります。 したがって、 … 続きを読む→

ソフトバンクは一体何の会社なのか?

ソフトバンクグループがスプリントとTモバイルUSの合併に合意、国内の通信事業を担っているソフトバンク株式会社の上場を視野へ、ファンド2号を立ち上げを画策などの報道を見て、あなたもこんな疑問を持ったことはないでしょうか。 「ソフトバンクは一体何の会社なのか?」 つまるところ、ソフトバンクグループは通信会社なのか、それとも投資会社なのかということです。これに対して、孫さんは今月の決算説明会で「一般的な … 続きを読む→

ソニー、営業益20年ぶり最高

2018年4月28日付日経新聞によれば、27日発表した2018年3月期の連結決算(米国会計基準)は、本業のもうけである営業利益が前の期比2.5倍の7348億円と、1998年3月期5,257億円達成以来、20年ぶりに最高益を更新しています。 その理由として、20年前の稼ぎ頭でその後、落ち込んだエレクトロニクス事業が生まれ変わり息を吹き返したこと。音楽やゲームなどコンテンツの継続課金モデルもここ10年 … 続きを読む→

資本コストやっと上場会社の半数認識

一般社団法人 日本 IR 協議会は、2018年4月、第25回「IR 活動の実態調査」の結果をまとめました。2018年1月現在の全株式上場会社 3,707 社に対し、調査票を郵送。1,006 社からの回答を得たといいます(回収率 27.1%)。 この中で、IR 実施企業981社のうち、自社の資本コストの水準を認識している企業の割合は 49.0%(前回44.0%)とほぼ半数まで増加し、そのうち資本コス … 続きを読む→

セブン&アイHD 7期連続の増収増益

先日、セブン&アイホールディングス(以下セブン&アイHD)の業績発表がありました。セブン&アイHDの2018年2月期の連結売上高は6兆378億円と前期比+3.5%。営業利益は前期比+7.4%の3,916億円となり、7期連続の増収増益となっています。 セブン&アイHDの収益構造はいびつです。同社の事業セグメントは、国内コンビニエンスストア(以下CVS)、海外コンビニエンスストア、スーパーストア、百貨 … 続きを読む→

ファンダメンタル分析の手法と実例

今回は、「外資系アナリストが本当に使っているファンダメンタル分析の手法」という本をご紹介したいと思います。 著者の二人は証券会社に所属する、いわゆるセルサイドアナリストではなく、投信投資顧問会社や生保・銀行等の資産運用を行う会社に所属するバイサイドアナリストです。言ってみれば、「機関投資家」という立場にあります。 セルサイドアナリストは、顧客に対してレポートによる業界・企業の情報提供を行うことが主 … 続きを読む→

石野 雄一の本

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