カテゴリー別アーカイブ: ファイナンス

企業価値評価の理論と実際

企業価値評価(Valuation)と言えば、すぐに思いつくのがM&Aでしょう。買収対象企業の価値評価を行い、買収価格を見積もる必要があります。もちろん、企業価値評価はM&Aの時だけではありません。今後ますます重要になってくるのがインハウス バリュエーション(In-house Valuation)です。これは企業自らがその内部情報に基づき自社の企業価値を評価することです。この企業価値 … 続きを読む→

ファミマTOBの舞台裏

伊藤忠商事は25日、ファミリーマート(以下ファミマ)に対して実施していたTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表しました。応募株数が買付予定数の下限5011万株を満たない場合は、応募株数全部の買付を行わないとしていました。24日までに7901万株の応募があり、下限数を上回りました。応募分をすべてを買い付けると、保有比率は65.7%になります。ファミマは10月下旬に臨時株主総会を開き、株式併合など … 続きを読む→

PX時代の到来か

経済産業省が東証一部上場企業を対象に実施したアンケート調査によると、事業ポートフォリオを年1回以上、定期的に検討しているのは全体の半数以下です。ほとんど検討していない企業も約2割あります。さらに、事業撤退・売却の基準がない企業が8割近くに上っています。 ところが状況は変わりつつあるかも知れません。2020年7月18日付日経新聞によれば、今年1~6月の子会社や事業の売却件数(発表日ベース)は139件 … 続きを読む→

エーザイの凄さ

2020年7月17日付日経新聞でエーザイの強い非財務資本が取り上げられています。非財務資本とは、PBR(株価純資産倍率)の1倍を超える部分である「見えない資産(資本)」のことです。PBRは前回のブログ「呆れた知財価値の推定方法」で取り上げたばかりです。非財務資本は、知的資本、人的資本、製造資本、社会・関係資本、自然資本に分けられます(下図ご参照)。 出典:日経新聞「エーザイ、強い非財務資本」 この … 続きを読む→

呆れた知財価値の推定方法

7月初めに米国の電気自動車大手テスラの時価総額が、トヨタ自動車を上回ったことが話題になりました。両社の市場評価の違いが如実に表れているのが株価純資産倍率(PBR: Price Book-value Ratio)です。PBRは、1株当たりの純資産額の何倍の株価がついているかを示す指標です。分子と分母に発行済株式数を掛ければ、株価×発行済株式数=株式時価総額ですから、PBRは、純資産の何倍の株式時価総 … 続きを読む→

株主資本コスト試算マニュアル

2018年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードの中で初めて資本コストというファイナンスの専門用語が記載されました。企業は資本コストの概念を取り入れた経営をすべきであり、各社が自分たちの資本コストを算出することを課せられたといえます。 ところが実際のところ、全上場企業 3,700 社のうち資本コストを把握している企業は最大で 500 社程度、資本コストを自ら計算している企業は最大で 300 … 続きを読む→

ソフトバンクGは大丈夫か?

ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)の2020年3月期の業績は売上高6兆1,851億円と前年比1.5%の微増ながら、ビジョンファンドからの営業利益が前年比で3兆1,879億円減少、営業赤字△1兆3,646億円となりました。出典:ソフトバンクグループ決算説明会資料 Uber、WeWorkと関係会社3社への投資の公正価値が減少したこと、さらに新型コロナウィルスの感染拡大の影響に伴い、2020年3月期 … 続きを読む→

ソフトバンクG、潮目はどう変わったのか

先月12日に行われたソフトバンクグループ(以下SBG)の第3四半期(3Q)決算説明会で、孫正義社長はこう語り始めました。 「今回の決算を一言でいうならば、潮目が変わった決算といえるでしょう」 潮目が変わった理由を孫社長は三つあげています。 ・スプリントとT-mobile の合併差止訴訟に勝訴したことによって合併の最終段階に入ることが出来たこと ・ビジョンファンド事業(SVF事業)の3Qの営業利益が … 続きを読む→

前田と前田の戦い

前田建設工業の前田道路に対するTOB(株式公開買い付け)が混迷の度を深めています。2月20日、前田建設によるTOBへの対抗策として、535億円の特別配当実施を打ち出しました。従来から計画していた配当と合計すると、今期の配当総額は約615億円です。手元資金の相当部分を一気に吐き出すという大胆な作戦に打ってでました。 2020年3月3日付日経新聞によれば、さらに前田道路が同業最大手のNIPPOとの資本 … 続きを読む→

花王の経理パーソンになる

今回ご紹介したいのは「花王の経理パーソンになる(慶応義塾大学吉田栄介・花王株式会社会計財務部門編著)」です。まずは足許の花王の業績をみてみましょう。2019年12月期の連結売上高は1兆5,022億円、営業利益は2,117億円(営業利益率14.1%)となっています。国内トイレタリー市場のトップシェア、国内化粧品では第3位、世界のトイレタリー・化粧品市場では第9位となっています。また、2019年12期 … 続きを読む→

石野 雄一の本

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