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S&P500の裏側:除外された5社が明かす市場の真実

新NISA開始に伴い、ブログ「初めて投資をする人へ: 新NISAとインデックスファンドの魅力」では、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)か、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)をお薦めしました。いずれも、株式投資ですから、ブログ「投資のイロハ:リターン、リスク、シャープレシオを理解する」では、リスクについても説明しました。

今回はS&P500を別の角度からみてみたいと思います。あらためて、S&P500は、米国の代表的な株価指数の一つで、ニューヨーク証券取引所とナスダックに上場している銘柄から選んだ、代表的な500銘柄で構成されています。

このS&P500は、時価総額加重平均型の株価指数であり、500銘柄の時価総額を合計したものを基準に算出されます。これは、各企業の時価総額(株価×発行済み株式数)に基づいて、その企業の指数への影響力が決まります。時価総額が大きい企業ほど、指数に与える影響も大きくなることを意味します。

このS&P500とTOPIX(東証株価指数)を比較すると、S&P500がこの10年で3.1倍になっているのに対して、TOPIXは1.7倍となっています。S&P500がTOPIXを大きく上回るリターンをもたらしています。しかし、私たちはその背景は知っておくべきでしょう。

私自身、最近になって「S&P495」という指数を知りました。これはS&P社が公式に発表している指数ではなく、S&P500から特定の5社を除外して作られた指数です。その除外される5社は「GAFAM」です。「GAFAM」とは「グーグル(アルファベット)」「アップル」「フェイスブック(メタ・プラットフォームズ)」「アマゾン」「マイクロソフト」のことでした。かつては、米国株の時価総額ランキングトップ5でしたが、いまでは、エヌビディアが4位に割り込む形になっています。


出所:ITmediaビジネスOOLiNE「S&P495で分かる ブーム化する「米国株投資」に隠れた”歪み”」

S&P500に大きな影響を及ぼすこれらの時価総額が大きい企業を除いた「S&P495」を見ることで、米国株式市場の実力をより深く理解することができるのです。最近では、このS&P495に対する関心が高まっているといいます。

では、S&P495のパフォーマンスはどのようになっているのでしょうか。面白いことに、S&P500指数を「GAFAM」と「S&P495」に分けて考え、さらにTOPIXと比較してみると、過去10年間でTOPIXとS&P495のパフォーマンスには大きな差がないことがわかります。一方、「GAFAM」はこの10年間で株価を約10倍に伸ばしています。

先述した通り、S&P500とTOPIXのパフォーマンスには大きな差があるといいましたが、S&P495を見ると、その差の大部分は「GAFAM」の高成長が牽引してことが背景にあるのです。低成長と言われていた日本企業が米国優良企業495社に引けを取らないパフォーマンスというのは驚くべきことです。

マーケットポートフォリオとは、全ての投資可能な資産を含む理論上のポートフォリオのことを指します。この概念は、特にCAPM(資本資産価格モデル)において重要です。マーケットポートフォリオは、株式だけではなく、債券、不動産、その他の資産クラスを含む、完全に分散されたポートフォリオです。現在のS&P500が果たして、マーケットポートフォリオの代替となり得るのかは、私たちが考慮すべき点です。

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