ダイキンは「企業価値向上表彰」大賞に値するか?

東京証券取引所は日本経済新聞社とのタイアップ企画として、2012年度より資本コストをはじめとする投資家の視点を強く意識した経営を実践している上場会社を表彰する「企業価値向上表彰」を実施しています。

このたび、ダイキン工業株式会社が大賞を受賞しました。そのほか、優れた企業価値向上経営を実践している会社として、アサヒグループホールディングス株式会社、日本電産株式会社、ユニ・チャーム株式会社の3社が優秀賞となりました。

評価のポイントは次の三つです。

・企業価値向上の実現に向け、経営目標・指標等が、資本コストを意識したものであり、長期にわたり首尾一貫している

・企業価値向上の実現に向け、経営管理の仕組みが、資本コストを意識したものとなっている

・資本コストを意識した経営目標・指標および経営管理の仕組みについて、その社内浸透に力を注いでいる

ダイキン工業が評価されたのはポイントは以下の通りです。

・DVA(ダイキン流経済的付加価値)、ROE、ROA、ROICといった複数の資本生産性指標を設定・活用。なかでも、ROEおよびROAは、経営目標として、継続的に対外公表していること。

・現在のROE目標値は、自社の資本コストを大きく上回る水準(14%)を設定。ROE実績は直近3事業年度(2016年3月期~2018年3月期)には13.4%、14.5%、15.7%と大きく躍進していること。

・新規投資採択には、NPVやIRRを用いるなど、資本コストを踏まえた投資判断を実施していること。

・既存事業管理には、中期経営計画の着実な達成に向け、部門別の予実管理指標としてROICを活用していること。

ダイキン工業の業績が好調なことは知っていましたが、「企業価値向上表彰」で大賞とったのは意外でした。なぜなら、ダイキン工業が公表している資料で資本コストを意識した経営をしている様子は、私にはうかがい知ることが出来なかったからです。

ということで、ざっくりダイキン工業のEVAを算出してみました。そうすると、きっちりEVAプラスなのです。それも2019年3月期のEVAは約600億円と前年対比でいえば、増加する見込みです。

出所:オントラック分析

数字をみれば、企業価値経営を実践し結果を出していることがわかります。きちんと企業価値経営をしていることを対外的に伝えられていないということであれば、非常にもったいないことです。今回の受賞を機にさらにIRの充実をはかっていただきたいと思います。いずれにしても、大賞受賞の社長インタビューが楽しみです。

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