三井住友トラストHDの本気度

皆さんには、PL頭からBS頭になっていただきたい。これまで何度も申し上げてきました。PL頭のPL社長は「売上あげろ、コスト削減して利益出せ」これしか言いません。BS頭のBS社長は、インプットとアウトプットの両方を考えられる経営者です。つまり、BS頭とは限られた経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報など)というインプットを営業利益というアウトプットにどのように結びつけるかを考えることと言えます。

BS頭では、営業利益増加に必ずしも結びついているとは言えない非事業資産の整理を積極的に行うことになります。これをアセットリストラクチャリング(資産整理)といいます。投資家が嫌がる資産が3つあります。①現金・預金、②有価証券、③不動産です。この3つの資産に共通することはなんでしょうか。それは投資家が自分で投資できる資産だということです。わざわざ、事業のプロである事業会社に投資して欲しくないのです。投資家自身が出来ない事業経営を経営者にはやってもらい、それこそ事業で価値を創造してほしいのです。

2021年5月13日付日経新聞によれば、三井住友トラスト・ホールディングスが持ち合い株などの政策保有株約1兆4000億円(時価ベース)を全て売却する方針だと正式に発表しました。傘下にある三井住友信託銀行は貸出業務のほか、年金や証券代行など幅広い業務を行っています。年金などは、融資と政策保有株の残高に応じて取引シェアが自動的に決まるケースも多く、政策保有株は長年、信託銀行として営業する上での「強力な武器」だといいます。(大手信託銀行幹部談)

そんな商慣習の中、三井住友トラスト・ホールディングスが政策保有株式をゼロにするという目標を掲げたことは意義があることだと言えます。政策保有株式全体における上場銀行と保険会社のシェアは合わせて5割強に上ると言われています。ゼロ目標を掲げた三井住友トラストは他の金融機関の模範となり得るのか。その本気度が今後問われます。

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