パートナーにとっての自分の価値を高めるためには、パートナーの期待収益率を下げる必要があります。ちなみに、パートナーの期待収益率=私にとっての資本コストです。そのためには、家庭内IRが必要だという話は以前ブログに書きました。
参考ブログ:家庭内IRの重要性
家庭内IRの際に注意すべき点は、パートナーが、債権者タイプなのか、株主タイプなのかです。実は、投資家には債権者と株主の二種類あります。
日産自動車は、昔、資金調達に苦労したせいか「債権者に対するIR(=デットIR)」と「株主に対するIR(=エクイティIR)」を違う部署が担当していました。なぜなら、債権者と株主とでは、いい会社の定義が異なり、アピールするポイントが違うからです。
債権者にとっての「いい企業」とは、たとえ成長しなくても、キャッシュフローが安定しているということです。これは、いくら企業が成長したところで、債権者にとってのリターン(利息)は、あらかじめ決まってしまっていることにあります。
一方で、株主にとっての「いい企業」とは、将来成長し、価値創造してくれる企業。成長してくれればくれるほど、株価上昇益や配当という形でのリターンが大きくなるわけですから当たり前です。
要するに、同じ投資家でも、債権者は「安全性」を重視し、株主は「成長性」を重視するといえます。したがって、企業のIRも、投資家が債権者か株主かによって、アピールすべきポイントが違ってくるのです。
私が独立した当初のことです。家庭内IRの一環として、いい気分で壮大な夢を語っていた私に妻が一言。
妻:「夢のような話はいいんだけど、その前に留学の時に貸した200万円ちゃんと返してよね!」
私:「あれっ!?」
実は、私の妻は債権者タイプだったっていうことです。お後がよろしいようで(笑)