収益不動産の色々な利回りPart3(増田社長)

レベル4は、私が考える最高難易度の利回り表現です。

オントラックのセミナーでも紹介されるIRR測定を不動産投資に応用した考え方で、投資元本に対する複利成長率を求める方法論になります。単利である不動産投資について、IRRという単利複利変換器を活用することで、全投資期間での複利成長率を抽出し、預金利率と比較可能な利回りに変換します。

ただ、この指標は仲介業者には馴染みのない利回り表現になりますので、ファンド運用者や専門性の高いコンサルタント以外には話が通じない恐れがあります。玄人ぶって無暗やたらに使っていると、煙たい客だと嫌われますので注意しましょう。(笑)

 

レベル4 IRR(内部収益率)

レベル3までは保有期間中のインカムゲインに対する利回り表現でしたが、レベル4は投資終了後のキャピタル(ゲインもしくはロス)までも考慮に入れた全投資期間での収益率を対象にします。いわゆるDCF法(Discount Cash Flow Method 多年度収益法)を用いた割引率を求める方法論です。

このIRRは、NOIとNCFの何れを採用するのか、運用時の税支出を考慮するか否か、本体価格に消費税を含めるか否か、取得時経費を含めるか否か、自己資金について計算するか否かなど、多様な組み合わせが存在します。計算方法は10年国債利回りのIRR計算と全く同じで、運用期間中のキャッシュフローの出入りを予測しIRR関数を用いることで測定します。

国債の場合は、保有期間中の配当が確定しており、さらに投資終了後の償還額が保証されているのでIRRを正確に測定することができます。しかしながら収益不動産の場合は、保有期間中のインカムは概ね予測可能ですが、投資終了後の売却価格は不確実性を伴うので、キャピタルに対する誤差には一定の幅が存在するという事情があります。即ち、不動産IRRは投資が終了して初めて確定するものなのです。

とは言うものの、取得時IRRを予測することに意味がないとバッサリ切り捨てるものでもありません。過去10年以上の標準不動産における相場の履歴を蓄積し、将来を俯瞰する目を養うことができれば、少なくとも将来の売却価格の最小値と最大値は分かるようになるものです。それを横目に睨みながら、過去に価値評価した事例を参考にして、自分にとって旨みのある案件なのか否かを判断し投資を考えていきます。

私の場合は、直近4件の物件取得がフルローンだったので、取得時経費のみを自己資金としています。そのIRR値の目安は、①NCFを採用 ②税支出を考慮 ③取得時経費を算入という条件で、10年保有の自己資金に対する予想IRRは15%以上を求めることが多いという結果となりました。

15%という数値については、自身でハードルレートを設定した訳ではなく、他の方法論も交えて物件を様々な角度から分析した結果、そのような利回りに落ち着いたというのが本当のところです。都心部の案件が多いのでフルレバレッジでもこの程度の収益率となりますが、個人的には悪い投資ではないと感じています。そして、投資終了後の確定IRRは、全ての場合で大きく上ブレしました。

因みに、総投資額を全て自己資金で用意した同条件①②③での投資に引き直すと、その予想IRRは3.5%程度になるという結果を得ています。(都内一棟マンション20世帯規模)このように、フルローンというレバレッジを掛けることにより、自己資金利回りは12%程度向上します。但し、レバレッジは諸刃の剣ですから、保有期間中のインカムの安定性をしっかりと見極めた上で、慎重にご活用下さい。

IRR法は、将来の売却価格に不確実性は残りますが、査定スキルの向上でこの部分を補うことができれば、投資全体の真の収益率の範囲を測定できますので、非常に強力な価値評価ツールになると思います。私の場合、レベル1からレベル4までの全ての利回りをモノサシとして活用しますが、特にこのIRRを重視する傾向が強いようです。


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