台風とみかん(増田社長)

昔、みかん農家の友人から教えられた話です。みかんの相場のことです。

穏やかな天候の年は、雨が適度に降り、また夏の太陽が元気なので、みかんは太陽光と海からの反射光を十分にもらい素晴らしい品物に仕上がるそうです。

糖度が高く、食味もよい美味しいみかんになります。いわゆる豊作です。このような年は、消費者にとっては非常に有難い年なのですが、みかん農家にとっては、苦悩の年になると言います。

何故ならば、どこのみかん産地も一様に豊作なので、絶対的な供給量が多くなるからです。こういう年は、例年ならば1箱2,500円で取引される相場が、1箱800円になるそうです。出荷者にとっては、段ボール代や流通コストを勘案すると、赤字の状態になることも珍しくないと教えられました。

こういう年は、どこの産地も食味がよいので、ブランドによる差別化も難しくなり、銘柄産地の一流品といえども暴落するそうです。

一方、天候不順で凶作の年は、お世辞にも美味しいとは言えない品物でも、絶対的な供給量が不足するので、相場が跳ね上がるそうです。極端な場合、どこの産地でもいいから、みかんさえあればいいという状況になり、二流銘柄のみかんが1箱5,000円になることも珍しくないとのことです。

そういう年は、スソモノと言われる劣悪な商品でも、高い相場で取引されると言います。また、夏までの天候が順調でも、秋に四国や和歌山を台風が直撃すると、その年のみかん相場が高騰します。つまり、「豊作の年は美味くて安く、凶作の年は不味くて高い」という現象が起きるというのです。

実は、不動産投資でも全く同じことが言えます。収益不動産の場合は、みかんの豊作を不景気に、凶作を好景気に読みかえると理解しやすいです。「不景気の時代には優良物件が安い価格で取引され、好景気の時代にはあらゆる物件が高くなる」ということです。

デフレやリーマンショックなどの特別な経済事象が発生すると、金融機関は融資姿勢を極端に引き締めるので、不動産の流動性はとても悪化します。こういう時期は、金融機関の貸し剥がし等により、物件所有者は優良物件でも市場へ放出せざる負えない状況に陥る場合があります。

この時期に、新規購入のため投資家が融資を新たに獲得することは難易度が高いのですが、もし他物件の担保提供などにより融資を受けることが可能であるならば、物件を割安で取得できるので、不動産投資の成功の確率は極めて高くなります。

私の経験上、このような時期に物件の取得を検討する場合は、少し高めの価格をつけても、物件を押さえに行く方がいいと思っています。あまり辛い査定をしすぎて、ライバルに取られてしまうのは避けたいからです。

一方、日銀の異次元緩和やマイナス金利政策など金がジャブジャブになり始めると、銀行は融資に積極的になるので、多くの投資家は容易に融資を獲得できます。結果、物件価格が上昇し割高になります。不景気の時には相手にされないような程度の悪い物件でも、どんどん売れて行きます。

また、この機会をとらえて優良物件を高値で放出するプレイヤーも出現します。見た目には優良物件といえども、高すぎる物件価格は不良物件であるという認識が重要です。

こういう時期の新規投資は、充分な価値評価の下、少し辛いくらいの査定をするのが賢明であると思います。焦ることはありません。物件は綺羅星の数ほどあるのですから。


私が不動産投資の達人として尊敬する増田社長のブログです。増田社長の自己紹介はこちらをご覧下さい

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