「超ざっくり分かるファイナンス」予約開始となりました。拙著「ざっくり分かるファイナンス」発刊からかれこれ15年の歳月が経ちました。この本の何が「ざっくり」と違うのか。冒頭にある「はじめに」をご覧ください。
はじめに
この本を手にとってくださり、ほんとうにありがとうございます。
私は本書を、企業の経理・財務部門にお勤めの方をはじめ、経営に携わる方、ファイナンスを勉強している方、起業を考えている方、新入社員の方など、ファイナンスに興味のある幅広い層の方に読んでいただくために、一生懸命書きました。
世の中に、会計の本まではいきませんが、ファイナンスの本も結構出ています。そんな中で、本書に目を止めていただいたあなたは――私が言うのもなんですが――とてもラッキーです。
なぜ、ラッキーなのか、それは、この本が数あるファイナンス本の中で一番分かりやすいからです!
私自身、今は会社を立ち上げて、ファイナンスを教えている身ですが、ここに至るまでの銀行員時代、アメリカのビジネススクールでMBA取得の勉強をしていた時代、帰国して日産自動車の財務部に勤めていた時代、外資系のコンサルティング会社に勤めていた時代、と、まさに数字との格闘、ファイナンスとの格闘の日々を送ってきました。
その日々の中で、私なりに「とっつきにくい専門用語も、こう解釈すれば理解しやすいな」とか、「この難しい計算式の背景には、こんな意図が隠されていたんだ」とか、さまざまな発見や工夫がありました。この発見や工夫をさらに深掘りしていって、究極の分かりやすさを目指した本が、2007年に出版した『ざっくり分かるファイナンス』(光文社新書)です。
『ざっくり~』はファイナンス本としては異例の売れ行きを示し、電子書籍と合わせて16万部を超えるベストセラーになりました。これも、読者のみなさんが私の目指した方向を支持いただいたゆえのことと、とても感謝をしています。
本書『超ざっくり分かるファイナンス』は、新書版に最新の知見や表現を加えて内容を全面的に見直し、判型を変えて図版も増量し、重要な箇所にはマーカーを付けるなど、さらなる「究極の分かりやすさ」を目指した本です。お値段が新書版に比べて2倍くらいになってしまいましたが(すみません!)、分かりやすさも2倍くらいアップしたと自負しています。
――と、宣伝文句はこのくらいにして、ファイナンスのことはまったく分からない、という方のために少しお話ししておくと、 ファイナンスとは、ひと言でいうと「企業における資金の調達・運用」のことです。
あなたがお勤めの会社をA社としましょう。このA社が事業を継続するために、「どこから、どのくらいの利息でお金を持ってくる」か、そして、そのお金を「どのように使っていくか」、そのことを考え続ける経営学のジャンルです。
では、ファイナンスはなんのために存在するのか。それは「企業価値の最大化」です。
企業価値が大きくなると、そこで働く人もハッピー、従業員のご確認もハッピー、株主もハッピー、取引先の方もハッピー、もちろん社長さんもハッピー。関わるみんながハッピーになるためのもの、それがファイナンスなのです。
ただ、はっきりいって、ファイナンスは難しいです。ただ難しいだけでなく、奥が深い。それだけに勉強のし甲斐がありますし、理解して、それを使えるようになったときの喜びは半端ないものがあります。あなたにも、その喜びを知っていただきたいと願っています。
また、さらにファイナンスへの理解を深めていただくために、今回、オンライン講義もご用意いたしました。巻末に案内を載せていますので、ご興味がありましたら、そちらのほうもご覧いただけたら幸いです。
まえおきが長くなってしまいました。
それでは、楽しく分かりやすいファイナンスの世界、いよいよスタートです!
令和四年 六月