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ジャフコ、みっともない買収防衛策導入

ジャフコグループは2022年8月15日に、買収防衛策の導入を発表しました。アクティビストとして知られる村上世彰氏の影響下にある野村彩氏(村上氏の実子)、株式会社南青山不動産、株式会社シティインデックスイレブンスなど(以下、シティらと総称します)が株式の51%の取得を示唆したというのが原因です。これを踏まえて同日、シティらの大規模買い付けへの対応方針の導入を決めました。一定の条件を満たさない買い付けには新株予約権の無償割り当てをすることで対抗するというのです。

シティらは、2022年8月5日時点において、ジャフコ株式を15%弱保有するに至っています。ジャフコは同日、野村彩氏らと面談しています。ジャフコの株式の51%を取得する可能性があることを示唆し、さらに次のような提案をしています。「ジャフコ保有の野村総合研究所の株式を流動化等した上で、約500億円の自社株買いをすべきである」

そもそも、ジャフコは、ファンドの運用を通じて、スタートアップ企業に投資する会社です。出資先の経営に関与し、起業家とともに企業価値を高め、新規上場やM&A等による売却を目指すわけです。相手先は上場企業ではないものの、大きな意味では、村上氏のファンドと変わりません。つまり、ジャフコは資本市場のプロと言えます。

資本市場のプロであるはずなのに、ジャフコ自身がシティらに攻められると投資家に評判の悪い買収防衛策を導入するというのですから、さみしい限りです。どうして、正々堂々とジャフコの企業価値向上策について、プロ同士で渡り合おうとしないのでしょうか。こうした有事のときにこそ、経営陣のあり方が透けてみえるものです。

その後、2022年8月25日にシティらがジャフコグループの株式の一部を売却したことが判明し、翌日26日には、前日比194円(8.9%)安の1992円まで下落しました。短期の値上がりを見込んで買っていた投資家からの売りが出たようです。現在は、2000円前後で推移しています。

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