日々の業務、特に財務モデリングにおいて、Excel作業のスピードはとても重要です。今回のブログは、私も知らなかった、Excelの「値貼り付け」に関するショートカットキーのお話です。
皆さんは、コピーしたセルの「値」だけを貼り付けたい時、どうしていますか?
多くの方は、まず Ctrl+C でコピーした後、Ctrl+Alt+V (同時にキーを押す)または Alt→E→S(順番にキーを押す) というキー操作で「形式を選択して貼り付け」のダイアログボックスを呼び出し、「値(V)」を選んでEnter、という手順を踏んでいるかと思います。私も長年、この方法を愛用してきました。
ところが先日、「財務モデリング基礎講座」の受講生の方から、驚くべきショートカットキーを教えていただきました。
それが、Ctrl + Shift + V です。
なんと、これだけで「値の貼り付け」が一発で完了するのです。
私にとっては驚きでした。この機能、実はここ1〜2年(2023年以降)のアップデートで追加されたようです。背景には、「他のアプリやブラウザでの当たり前の操作感を、Officeアプリにも導入する」という標準化の流れがあるそうです。
Ctrl + Shift + V は、多くのブラウザやテキストエディタで「書式なし貼り付け」として使われてきたショートカットキーです。これをExcelでは「値の貼り付け」として取り入れたのです。
ただ、この Ctrl + Shift + V 、他のOfficeアプリでは少し異なる機能に割り当てられています。
例えばPowerPointです。PowerPointで Ctrl + Shift + V を押すと、「書式の貼り付け」が実行されます。Ctrl + Shift + C(書式のコピー)とセットで使うことで、オブジェクトの形状やテキストのスタイルだけを、別のオブジェクトに素早く適用できるのです。
これはExcelでいう「書式のコピー/貼り付け」ボタン(刷毛のマーク)と同じ動作です。たかがショートカットキー、されどショートカットキー。こうした小さな効率化の積み重ねが、財務モデリングのような複雑な作業では大きな差を生みます。
皆さんもぜひ、この Ctrl + Shift + V を試してみてください。もう従来の Ctrl+Alt+V や Alt→E→S には戻れないかもしれませんよ。
このような実務直結のテクニックや、その背景にあるロジックは、私の「ファイナンス基礎講座」や「財務モデリング基礎講座」でも数多く取り上げています。ご興味のある方は、ぜひ講座の詳細もご覧ください。




