ゴールデンウイークをいかがお過ごしでしょうか。仕事をしている方もいらっしゃるかも知れませんが、私は読書と決め込んでいます。先週末からまず手始めに読んだのが「500人の会社が劇的に変わる瞬間(中村仁著、きこ書房)」です。
著者の中村氏に、ご縁があってお会いしたときにこうおっしゃっていたのが印象的でした。「4年あれば会社を変えることが出来ます」
聞いてみれば、会社を変えるのにまず大切なことは理念だといいます。
理念で本当に会社を変えることが出来るのか、ましてや業績を改善させることが出来るのか。私がそうであったように、あなたがそこに少しでも懐疑的であるとするならば、この本を読むべきです。この本で紹介されているのは、中村氏の経営者としての3社目である飲料食品会社の株式会社ナガノトマトの実例です。
理念というものがどれだけ社員の方々を変え得るのか、それは仕事の「やり方」だけでなく、人としての「あり方」まで変えていってしまう。その具体的な実例と社員の肉声に驚くとともに感銘を受けるはずです。
中村氏は言います。強い企業をつくるためには「理念」に全社員が共鳴できることが大事です。したがって、ボトムアップで白紙からつくることが大事なのです。
企業理念と経営理念は全く異なるといいます。経営理念が経営者のトップダウンによる経営の考え方であるのに対して、企業理念は経営者・社員の共同志向から生み出されるもの。だからこそ、「企業理念」は社員全員による、共同思考のプロセスのなかから、オリジナリティのある理念の体系が構築され、最終的に簡単な表現に結晶化される。
さらに企業理念は、社内だけでなく、顧客、取引先へ「この会社はなんのために存在するのか」を発信する役割となっていく。
随所に出てくる経営者中村氏の珠玉の言葉の数々にマーカーを引きまくりました。これからも折に触れて読み返したい本物の経営書といえます。