企業価値の8割が見えない資産

特許権やソフトウェアなどの無形資産の重要性が高まっています。2019年9月17日付日経新聞によれば、米国S&P500社の時価総額のうち、無形資産が生んだ価値の比率は40年間で17%から84%に増加していると言います。富の源泉は、機械や不動産などの有形資産から知識やデータなどの無形資産へと変化しているのです。

(出典)日経新聞「姿なき富を探る(1)ヒトより知識 割食う賃金」オントラック作成

ここで気になるのは、財務諸表上の無形資産の評価額は果たして企業の実態を表したものなのかということです。シンガポール知的財産事務局マンダ・テイ氏によれば、アルファベット(グーグルの持ち株会社)の無形資産の価値を米国の評価会社が試算したところ、開示されている評価額の30倍以上だったといいます。

企業の競争優位が無形資産によって決まる時代です。企業がどのような無形資産を保有しているか、それが企業価値にどのように貢献しているかは投資家の関心事です。知的財産権などの無形資産に関する情報開示の拡充など、財務報告も時代に適したものに変えていく必要があるでしょう。また、経営者は、知的財産は重要な経営資源であるという認識を持つべきです。知的財産をいかに企業価値向上につなげていくかという知財戦略が求められているのです。

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