『ビール大手5社が13日発表した1~9月のビール系飲料のメーカー別シェア(課税済出荷量ベース)でアサヒビールが同期間として2年ぶりの首位に立った。
第三のビールが好調だったうえに、主力のビール「スーパードライ」の販売量が9月まで4ヶ月連続で前年実績を上回り、37.2%のシェアを確保した。
ただ、2位キリンとの差はわずか0.2ポイントで年間の首位争いが一段の激しくなりそうだ(2010年10月14日日経新聞朝刊)』
ご存知の通り、ビール系市場は、アサヒとキリンで75%以上のシェアを占める寡占市場です。ちなみに、売上高シェア(2009年見込み)でいけば、アサヒ41%、キリン35%となっています。(出典:2010年食品マーケティング便覧No.2 富士経済)
ビール系市場には、大きく分けて、ビール、発泡酒、第三のビールと呼ばれる新ジャンルの3つあります。
ここ10年の動きをみると、ビール、発泡酒の販売量が減少する中で、新ジャンルの販売が増加している状況にあります。
全体的に落ち込むビール市場で、アサヒの「スーパードライ」の販売量が堅調だったこと、また、キリンの独壇場である新ジャンル市場で、アサヒの「クリアアサヒ」が健闘したことが今回の結果につながったようです。
とはいうものの、国内のビール系市場は今後も減少していくことが予想されます。減少していく市場の中でのシェア争いも大事ではありますが、ビール各社は次の布石を打っていく必要があります。
当然のことながら、ビール各社は海外へ活路を見出そうとしています。ところが、キリンビールの海外売上高比率が、約21%(2010年第2四半期累計ベース)ある一方で、アサヒの海外売上高比率は、約7%(2010年通期予想ベース)です。
海外展開という点では、アサヒはキリンの後塵を廃しているのです。「スーパードライ」ファンの私としてはアサヒに頑張って欲しいところです。