2018年11月15日CNBCの報道によれば、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが社内会議で「アマゾンは倒産する」と発言したというのです。最近のシアーズなどの大手小売業の倒産をベゾスCEOがどのようにとらえているかという従業員からの質問に対してベゾスCEOはこう答えました。
“Amazon is not too big to fail,” Bezos said, in a recording of the meeting that CNBC has heard. “In fact, I predict one day Amazon will fail. Amazon will go bankrupt. If you look at large companies, their lifespans tend to be 30-plus years, not a hundred-plus years.”(CNBCが社内会議の録音を確認ところ、「アマゾンは大きいからと言って潰れないということはない。実際のところ、いつかはアマゾンは潰れるし、倒産するだろう。大企業をみれば、その寿命は30年程度。100年続くということはない」とベゾスは語った)
The key to prolonging that demise, Bezos continued, is for the company to “obsess over customers” and to avoid looking inward, worrying about itself.(「会社の消滅を出来るだけ先延ばしするためには、内向きになって自分たちのことを心配するのではなく、顧客のことを常に考えることが大切だ」)
“If we start to focus on ourselves, instead of focusing on our customers, that will be the beginning of the end,” he said. “We have to try and delay that day for as long as possible.”(「我々が顧客ではなく、自分たちに注力し始めたとき、それは終わりの始まりである。我々はその日が来るのを出来るだけ遅らせなければならないのである」)
出典:CNBC記事「Jeff Bezos to employees: ‘One day, Amazon will fail’ but our job is to delay it as long as possible」
翻訳:石野雄一
確かに永遠に続く企業はないのは分かります。ただ、世界の時価総額TOPをあらそうアマゾンのCEOが将来の倒産の可能性に言及するのは珍しいことだと思います。
考えてみれば、企業が永続しないのは当たり前のことです。ただ、自分が創業して発展させてきた会社です。なんとか、自分の会社だけは未来永劫続いて欲しいと考えるのが人情ではないでしょうか。
今や米国のECサイトの売上高シェアのほぼ半分がアマゾンと言われています。それでも、このような発言を通して、アマゾンの優位性というのは永遠ではない、一瞬でも気を緩めれば、終わりの始まりなのだと社内に危機感を醸成しているベゾスCEOに、私は大いに刺激を受けます。
アマゾンの成長が止まる時、それは顧客の期待に応えられなくなった時です。ベゾスCEOの経営思想の根幹には、”Grow or Die”(成長なくば死)があるような気がしてなりません。