凸版印刷はお買い得⁈再び

2021年7月9日付日経新聞によれば、凸版印刷の資産効率の改善が遅れているといいます。ROEは過去10年平均で3%台で、日本企業の目標とされる8%に及びません。凸版が公表するROA(経常利益ベース)も直近5年間は2~3%台が続きます。

凸版の資産効率の改善の足枷となっているのが「持ち合い株」と呼ばれる政策保有株と現預金の存在です。投資家が嫌がる資産が3つあります。①現預金、②有価証券、③不動産です。この3つの資産に共通することは何でしょうか。

それは投資家が自分で投資できる資産だということです。わざわざ、事業のプロである事業会社に投資して欲しくないわけです。自分にはできない事業経営のプロとして、経営者に事業でリターンをあげて欲しいのです。有価証券や不動産投資のプロではない事業会社に運用を任せる必要はありません。

凸版は、2021年4月から始まった中期経営経営計画で「意義の低下した政策保有株式は縮減を加速していく」とうたっています。しかし、2021年3月末で保有している有価証券6612億円(内関連会社525億円)の内、約5000億円が政策保有株です。さらに現預金は5140億円もあります。これらの資産が資産効率を引き下げているといえます。

驚くのは、この凸版の時価総額が6540億円だということです。凸版の事業そのものは安定しています。その事業に加えて1兆円を超える現預金と有価証券を保有している企業の値札が6540億円というのは信じられないことです。一方で、仮に凸版が持合い株式を売却して現金化したところでその資金の使い道をどうするかという問題があります。凸版印刷の現状は、多くの日本企業が抱えている問題を体現しているといえます。

(参考ブログ:凸版印刷はお買い得!?

 

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