驚きの東芝の自社株買7,000億円

東芝が13日、7,000億円程度の自社株買いによる株主還元を可能な限り早く行うことを発表しました。

東芝は2016年12月米国子会社の巨額損失で債務超過に転落しました。2018年3月期で2年連続の債務超過になれば、上場廃止を免れなかったわけです。これを回避すべく、海外ファンドを中心に60社から6,000億円の増資を受けたのは昨年の12月ですから、まだ半年足らずです。

確かに東芝メモリ売却で1兆円のキャッシュを手に入れたとは言え、それを成長投資に回すのではなく、株主に還元するとは驚きです。

こんなことだったら、6,000億円の増資を受けずに上場廃止、東芝メモリは売却して再建にまい進する。あるいは、6,000億円の増資を受け、東芝メモリは売らないというという選択肢もあったのではないでしょうか。

日経新聞によれば、昨年の増資を引き受けた海外ファンドなどからは「経営危機を脱した今、早急に自社株買いで増資に応じた株主に還元すべきだ」との声が強まっていたといいます。

また、「将来のM&Aに備えて現金を保有することは歓迎しません」こんな書簡を東芝に送った海外ファンドもあるといいます。

自社株買い発表の影響もありますが、既に12月の増資時の払込価格262.8円から340円(15日終値)と、わずか半年で海外ファンドは約3割利益をのせています。

海外ファンドの出資分6,000億円はわずか半年で約7,800億円に増加したことになります。ここですべてのファンドが自社株買いに応じたとしたら、半年で1,800億円の儲けです。

自社株買いの7,000億円という数字も東芝側はいろいろと理屈を並べていますが、怪しいものです。ファンドの増資分6,000億円の自社株買いを吸収できるだけの金額に設定したのではないかと穿った見方も出来ます。

東芝の中長期的な成長よりも足元のキャッシュを重視する。これが資本の論理と言われればそれまでですが、なんともやるせない思いです。

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