今日、ある方から「ファイナンスってなんですか?」と聞かれました。ということで、そもそもファイナンスとは何かについてお話したいと思います。
結論から言えば、ファイナンスとは、企業価値を高めるための意思決定をサポートする道具だということになります。
ファイナンス的に言えば、経営者が行うべき意思決定には、大きくわけて次の3つがあります。
1)その事業にお金をつぎ込むべきかどうか(投資に関する意思決定)
ファイナンスは、有望な事業を探してくるのには全く役立たずですが、その事業がお金をつぎ込むに値するかを判断するのに役立つことは確かです。
2)投資のための資金をどこから、どのように調達してくるか(資金調達に関する意思決定)
投資すべき事業が決まったら、次は投資資金をどのように調達するか。つまり、銀行から借入するのがいいのか、社債を発行するのがいいのか、はたまた株式を発行するのがいいのか。ファイナンスは、どの資金調達の方法が企業価値を高める上で適切なのか判断するのに役立つ道具です。
3)投資家(株主+債権者)に対して、資金提供の見返りをどのような形で、いくら還元すべきか(分配に関する意思決定)
債権者に対しての見返りは実は資金を借り入れする段階で決まっています。つまり、何%の借入金利を債権者に対して支払うというのが決まっています。
一方、株主に対して資金提供の見返りをどうするかは、あらかじめ決まっていません。配当にするのか、あるいは配当しないで事業に再投資して、将来の株価上昇益という形で報いるのかを決めなくてはいけません。
このように、経営者は投資した事業から得られたリターンをどう分配するかを決定する必要があります。この意思決定に役立つのがファイナンスなのです。
繰り返しになりますが、これらの意思決定の先にあるものはなんでしょうか?それは、企業価値の最大化ということなのです。