昨日のブログでは、2006年の会社法が施行されてから、「資本の部」が「純資産の部」という名称に変わったことはお話したとおりです。
これにより、総資産=総資本という関係ではなくなったことを知っている人はそれほど多くはありません。
以前は、総資産=他人資本(負債)+自己資本の関係にあったのですが、今や自己資本の定義が場合によって違うことから、必ずしも、総資産と総資本が一致するというわけではなくなってしまったのです。
ということで、総合的な収益性を表すといわれているROE(=自己資本当期利益率)の数値も自己資本の定義によって変わってくるのです。
今回は、この自己資本の定義を明確にしたいと思います。実は、自己資本の定義は3つあります(スライドご参照)
結論から言えば、自己資本=株主資本+評価・換算差額等を使っておけば間違いありません。金融庁も東京証券取引所もこの定義を使っています。
ただ、場合によっては、自己資本=株主資本だったり、自己資本=純資産ということもあり得るので注意が必要です。