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新NISA制度開始から1年:日証協の調査結果

2024年に開始された新NISA制度が1年を迎え、日本証券業協会が実施した調査結果が2025年2月12日に発表されました。この調査は、新NISAを利用して金融商品を購入した7,610人を対象に、2025年1月にインターネット調査を通じて行われ、投資金額や売却状況、購入資金の出所など、多岐にわたる項目が明らかになりました。

調査結果によると、つみたて投資枠の利用者は全体の78.9%(6,008人)で、平均購入金額は47.3万円でした。一方、成長投資枠の利用者は71.1%(5,408人)で、平均購入金額は103.3万円と、つみたて投資枠よりも高額な投資が行われていることが分かりました。両枠を合わせると、1人当たりの新NISA非課税投資枠が約150万円利用されている計算になります。

新NISA利用者の年収分布を見ると、年収300万円未満の層が39.7%と最も多く、次いで300万円~500万円未満の層が27.7%を占めていました。この結果から、新NISAは高所得層に限定されず、幅広い年収層に利用されていることが分かります。

2024年中の購入・売却の動向を分析すると、つみたて投資枠では、1銘柄のみを購入した利用者が32.5%で、平均購入銘柄数は2.5銘柄でした。売却については、83.2%の利用者が1銘柄も売却していませんでした。

一方、成長投資枠では、1銘柄のみを購入した利用者が31.9%で、平均購入銘柄数は3.1銘柄でした。売却については、75.3%の利用者が一度も売却していません。この結果から、意外と多くの投資家が新NISAを長期投資の手段として活用していることがうかがえます。

購入資金の出所に関しては、「預金・給与所得・年金」が74.9%と最も多く、新NISAの投資資金は主に新たに流入した資金であることが分かりました。一方で、旧NISAや課税口座の保有銘柄の売却資金に依存するケースは少数派でした。

投資対象については、成長投資枠では48.8%が国内株式を選択し、日本企業への成長資金供給に寄与していることが明らかになりました。つみたて投資枠では、全世界株式(日本を含む)のインデックス型投資信託が36.8%、全世界株式(日本を除く)のインデックス型投資信託は、18.5%を占めており、長期・分散投資が意識されていることが分かります。


出所:「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」日本証券業協会

損益状況を分析すると、つみたて投資枠の利用者でマイナスとなった割合は2.3%と低かった一方、成長投資枠では12.2%とやや高めの結果となりました。新NISAの投資判断において、情報源も利用者によって異なることが分かりました。対面型の証券会社で口座を開設している利用者は、担当者からの説明(27.3%)を最も参考にしていました。一方、ネット証券を利用する層では、SNSや動画サイトからの情報(33.6%)を最も活用しており、情報収集手段にも違いが見られました。

今回の調査結果から、新NISAは幅広い層に普及し、新たな資金が主に流入していること、そして利用者の多くが中長期的な運用を意識していることが明確になり安心しました。

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