東芝は、現在「CCC」と呼ぶ経営指標の目標を掲げています。CCCはキャッシュ・コンバージョン・サイクルの略。売掛金と在庫の回転日数から、買掛金の回転日数を引いて求めます。
このCCCを短縮するということは、運転資金が減るということです。運転資金を賄う有利子負債は圧縮でき、在庫削減による生産現場の効率化で労務費なども削減できる。言ってみれば、「資金繰り、貸借対照表、収益改善」と三方良しと旗振り役の副社長はコメントしています。
成果は着実に上がっていて、2008年3月期に34日であったCCCは前期には27.8日へ短縮。1年前よりもFCFは約5500億円も改善。有利子負債も約5900億円圧縮したといいます。
このような取り組みは、トップマネジメントのコミットメントが必要です。なぜなら、企業には、売掛金、在庫、買掛金を俯瞰してみている部署がないからです。
日産自動車でも同様の取り組みが行われてきましたがCFOの協力なリーダーシップの下、クロスファンクショナルチーム(社内横断的なプロジェクトチーム)が結成されていました。
さすがに東芝は、副社長が旗振り役となって社内横断のイノベーション活動と位置づけ、改善を継続する工夫をしているようですね。