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IRRの隠れた前提とは

IRR(内部収益率)には、特筆すべき点があります。それは、プロジェクト期間中に得られるキャッシュフローをIRRで再投資できるという隠れた前提があるということです。

まずは、下図をご覧ください。今1,000という投資を実行し、1年目から3年間にわたり、500というキャッシュが獲得できるというプロジェクトがあるとします。このプロジェクトのIRRは23.4%となります。

これを違った角度から見てみましょう。このプロジェクトで得られるであろう500をプロジェクトが終了する3年後まで2年間23.4%で運用すると、3年後の将来価値は761となります。

そして、2年目に得られるであろう500のキャッシュをプロジェクト終了まで1年間23.4%で運用すると617になります。3年目に得られるであろう500との合計は1,878になります。この1,878という数字は、初期投資1,000を23.4%で3年間運用した場合の将来価値になるわけです。

これは何を意味しているかというと、1年目と2年目に得られる500というキャッシュを仮にたんす預金で寝かせていたら、もう23.4%というIRRは達成できないということです。

例えば、IRR15%の不動産投資を考えてみましょう。果たして当該不動産から得られるキャッシュフローをIRR15%以上を生み出す他の不動産に投資することが出来るでしょうか。

IRRが高いプロジェクトであればあるほど、注意しなくてはいけないのです。そんな高い投資機会はおいそれと見つかるものではないからです。結果的に当初計画していたIRRは達成できませんでしたということになりかねないということなのです。

どうすればいいのかについては次回のブログで取り上げたいと思います。

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