先日の日経新聞の『「国富」どう増やす』という記事の中にこんな文章がありました。
今の日本企業の収益力の低さが理由となって世界のマネーが敬遠する。自己資本利益率(ROE)。株主から預かった資本を使っていかに効率的に利益をあげたかを示す投資尺度だ。
日本の上場企業の予想ROEは6%。2ケタが当たり前の米欧やアジアの主要国と比べて見劣りする。
この記事では、日本企業の収益力の低さをあらわす指標として自己資本利益率(ROE)を使っていますが、私たちは、この指標の意味を十分に理解しておく必要があります。
実は、ROEは次のように分解することができます。これを広めた化学会社の名前にちなんでデュポン・システムと呼ぶことがあります。
ROEとは、収益性と効率性と安全性の掛け算だということです。言い換えれば、収益性を高め、お金の回転を早くし、自己資本の割合を少なくする、つまり、有利子負債を使ってレバレッジを高めることによって、ROEを高めることができるのです。
このように、中長期的な財務の安全性を犠牲にして、レバレッジを高めることによって、同じ収益性と効率性でもROEを高めることができる点は、強調してもしすぎることはないと思います。