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インフレ時代の考え方

私は知り合いの経営者から、お金持ちになる秘訣を教えてもらいました。その秘訣とは「価値>価格」というシンプルなものです。価格とは、差し出すもの。価値とは、その代わりに手に入れるもの。差し出すものと手に入れるものとを比べて、手に入れるものの方が大きくないと経済的に豊かになれないと教わったのです。実は、NPV(Net Present Value)の本質は、この価値と価格を比較することです。そして、ファイナンスにおける価値は、たった2つの要素で決まります。それはフリーキャッシュフローと割引率です。

ここでは、いったんファイナンスから離れて「価値」というものを考えてみましょう。マーケティングでは、価値は「機能的便益」と「情緒的便益」の二つの側面があると教わります。これを勝手に「機能的価値」と「意味合い価値」と呼びます。

著述家の山口周氏はこう言っています。「どこでもドアが実現したとき、トヨタや日産の車は売れなくなるだろう。メルセデスやBMWは微妙。ただ、フェラーリやランボルギーニは売れ続ける。」トヨタや日産は、快適に移動するという「機能的価値」を提供しています。「どこでもドア」によって、単なる移動手段としての車は不要になります。一方のフェラーリやランボルギーニは、「乗ることに意味がある」や「所有していることに意味がある」といった「意味合い価値」を提供しているといえます。言いかえれば、顧客はフェラーリやランボルギーニというブランドに付随する歴史やストーリーといった「意味合い価値」を購入しているわけです。「どこでもドア」によって、そのニーズは、なくなることはありません。

フェラーリやランボルギーニは極端な例かもしれません。では、iphoneはどうでしょうか。iphoneユーザーにとっては、スマホの機能的価値よりも、ユーザーが感じるカッコよさやデザインの美しさなど、その意味合い価値が重要なのではないでしょうか。モノが十分にいきわたる時代になると、私たちは、機能的価値よりも意味合い価値を重視するようになります。

このことを、お客様に商品やサービスを提供する側に立って、考えるとどうでしょうか。あなたが扱っている商品、サービスはお客様にとってどんな「意味合い」があるのでしょうか。機能的価値は他社に真似されますが、意味合い価値は真似されることはありません。その意味合い価値を高め、それをお客様に伝えることができれば、お客様は喜んでその価値に見合った価格を支払ってくれるのではないでしょうか。インフレ時代にあって、頑張って価格を維持するのではなく、意味合い価値をどうしたら、高めることができるかを考えるべきでしょう。価値を高めれば、お客様の満足度は高まり、価格はそれに従って高まるはずだからです。

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