2017年3月期第二四半期の決算説明会での孫正義社長のスピーチはご自身の反省から入りました。
最近、いろいろと反省することが多いのです。何を反省しているのかと言いますと、保守的に堅く、小さく、固まっていたのではないのか。これほど、テクノロジーの進化、パラダイムシフトが起きているのに、目の前の日常業務に忙殺されていた。そしていたらずに年が過ぎていく。そのことに対してですね。
もっと積極的にこのテクノロジーの進化、業界の発展に対して、しっかりと取り組んでいかなくてはならないのではないか。しかし、我々の目の前にはスプリントを立て直さなきゃならないという問題がありましたし、国内の小さな市場の中で日々それなりの業務をやっているなか、事業家として情報の革命に取り組む人間の一人として、忙殺の中に年過ぎ行く自らの姿を振り返って猛反省し、いろいろと手を打っていかなければならない。
ソフトバンク2.0というのは、そういう想いでソフトバンクをもっとグローバルで、もっと積極果敢に業界のテクノロジーの進化に負けないで、むしろ、リードしていかなくてはならない。ARM社はその第一弾だった。(以下省略)
このスピーチから、孫社長の志の高さ、情報革命の担い手としての情熱、これからさらに成長していくという意志を感じたのです。孫社長が反省するのなら、私自身はどれだけ反省しなきゃいけないのか。そんな風にも思いました。
孫社長もスプリントは、重荷であったと明言しています。ソフトバンクグループの重荷であったスプリントは復活したのか。
決算発表によれば、スプリントは、コスト削減をやりながらも、史上最低の解約率を達成し、売上も反転しました。そして、次図の通り、FCFはプラスになりました。スプリントのFCFがプラスに転じたのは買収後初めてのことです。孫社長も、これからはスプリントが成長エンジンになると言っています。
設備投資が一巡したのかが気になるところではありますが、まずはソフトバンクグループの足を引っ張らない存在になったという点ではまずは一安心です。
ソフトバンク社外取締役のファーストリテイリングの柳井正会長兼社長と日本電産の永守重信社長は「孫さんには投資家ではなく、世界的な事業家になって欲しい」と話しているといいます。孫社長には日本を代表する経営者として、ますます活躍していって欲しいと思います。