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企業の「カネ余り」一段と

先日(2010.12.11)の日経新聞に上場企業の手元資金総額が64兆円を超え、2000年以降で最高の水準となったという記事がありました。

企業の手元資金が一段と膨らんでいるのは、「景気の先行きが不透明で思い切った投資を決断しにくい」(大手電機の財務担当者)ことが背景にあるようです。

今のところ、マーケットは事業リスクに対する保険として、また成長のために余裕資金を企業が保有することに対しては、一定の理解を示しているようですが、将来的には手元資金の運用上の問題を指摘するようになると思います。

そうなってくると、企業側としては、手元資金残高の適正基準をどう決めるかというテーマに関心が移っていくでしょう。

手元資金残高は企業、業種によって大きく異なります。前職のコンサルティング会社(ブーズ・アンド・カンパニー)の調べでは、米国の上場企業を業種別に対売上高現金比率の大きい順に並べると、ヘルスケア(724%)、テクノロジー(73%)、メディア(48%)となっています。

実際のところ、企業が最適とは言いきれないまでも、妥当な現金残高水準を決定するためにとっている一般的なアプローチは2つあります。

ひとつは、業界のベンチマークや経験則に従うこと。二つめは、格付会社およびアナリストから得られる限りのガイダンスを参考にするというものです。

具体的なお話は次の機会にお話ししたいと思います。

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