月別アーカイブ: 2021年10月

新生銀行が訴える「強圧性」とは

SBIホールディングス(以下SBIHD)による新生銀行へのTOB(株式公開買付け)が、国内銀行界で初の敵対的買収に発展しました。新生銀行の取締役会はこのTOBに対して、以下を理由として反対の意見を表明しています。 ・本公開買付けは、実質的な支配権の取得を企図していながら、買付け数に上限(48%)のある部分買い付けであり、残存株主に不利益が生じること・本公開買付価格(2000円)は、プレミアムを加重 … 続きを読む→

リキャップCBの功罪

前回のブログに続き、新株予約権付社債(CB)に関連した話題です。リキャップCBとは、CBの発行で資金調達すると同時に自社株買いを行うことで、デット(有利子負債)を増やしつつ株主資本を減らし、資本再構成(リキャピタライゼーション)を行う資本政策です。 このリキャップCBによって、ROE(=当期純利益/株主資本)が高まります。収益力の向上(=当期純利益の増加)がなくても、分母の株主資本が減少するからで … 続きを読む→

CB発行、日本製鉄の説明責任

新株予約権付社債(CB:Convertible Bond)は、決められた価格で発行企業の新株を買う権利(オプション)がついた社債のことです。9月16日付、日本製鉄は3000億円のCB発行を発表しました。旧新日本製鉄時代以来15年ぶりのCB発行です。CBは株式に転換できるという魅力があるため、同じ企業が発行する普通社債より低い利率で発行できます。言いかえれば、株式転換のオプション分だけ、企業にとって … 続きを読む→

さらば、LIBORよ

LIBOR(ライボー)とは、「London InterBank Offered Rate」の略称で、ロンドン市場での金融取引における銀行間金利のことです。主要な5通貨(米ドル・英ポンド・スイスフラン・ユーロ・日本円)について公表されており、このうち日本円通貨のLIBOR は「円LIBOR」と呼ばれています。 この円LIBORが2021年12月末で公表停止となります。LIBORは世界の複数の主要行が … 続きを読む→

アパレル業界の風雲児、ルルレモン

2021年9月21日付日経新聞によれば、カナダのスポーツウエア大手、ルルレモン・アスレティカがスウェーデンのへネス・アンド・マウリッツ(H&M)を時価総額で上回りました。2021年5~7月期の売上高は前年同期比60%増加の14.5億ドル(約1600億円)、当期純利益は2.4倍の約2億ドル(約230億円)と大幅に増加しました。 こうした好決算が奏功し株価は高値で推移し時価総額は約6兆円にまで … 続きを読む→

イズミ、PL経営からBS経営へ

日経新聞によれば、スーパー業界6位、中四国地方で首位のイズミが店舗ごとのROIC(投下資本利益率)の導入の検討に入ったようです。山西泰明社長はROIC導入の狙いについて、こうコメントしています。「売上高が増えれば利益も増えるという考えが強かった。肥満体からの脱却が急務だ」出所:業界動向Search.com オンラック作成、※スーパー関連部門の売上高で、イオンはGMS+SM事業、セブン&アイ・HDは … 続きを読む→

WACC再び

ブログ「【第二弾】あなたはWACCを本当に理解しているか?」に関して読者から質問がありました。以下は質問メールの一部です。 わたしは、よくある間違いのとおりの計算をしてしまいました。。。(株主資本コスト10%×1/2+負債コスト1%×1/2=5.5%) ブログの解説のおかげで、これまで全く理解出来ていなかったレバードβとアンレバードβの意義がわかった気がします。 他方で私が5.5%と計算してしまっ … 続きを読む→

リバースDCF法とは何か

企業価値評価の方法は、一般的にインカムアプローチ、マーケットアプローチ、コストアプローチの3つに分類されます。各アプローチには複数の算定方法があります。実務でよく使われるのは、インカムアプローチのDCF法(Discounted Cash Flow法)、そしてマーケットアプローチの市場株価法と類似会社比較法です。 上図の通り、各アプローチともに長所と短所があり、評価の目的やデータの入手可能性によって … 続きを読む→

【第二弾】あなたはWACCを本当に理解しているか?

前回のブログ「あなたはWACCを本当に理解しているか?」はおかげさまで好評でした。本質を理解していないと答えられない質問にドキっとしたという感想もいただきました。気を良くした私は今回も第二弾といきたいと思います。日本企業にも今や普通になった社債を発行して自社株買いを実施するという財務戦略をとりあげたいと思います。 ここに無借金の会社X社があります。資産、株主資本は時価500億円です(下図①)。現在 … 続きを読む→

あなたはWACCを本当に理解しているか?

今回は、あなたがWACC(ワック)を本当に理解しているか確認するための質問を用意しました。まずは復習です。「企業価値は誰にとっての価値か」です。ファイナンスにおける企業価値とは、「債権者にとっての価値」と「株主にとっての価値」でした(下図右側)。そして株主にとっての価値に対して、市場が付けているのは株式時価総額という価格です。株価は短期的には気まぐれです。企業とは直接関係のないような出来事で上下し … 続きを読む→

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