月別アーカイブ: 2020年2月

後出しの買収防衛策

買収防衛策を導入する日本企業の数は2008年をピークに減少傾向にあります。そうした中、東芝機械は、村上世彰氏が関与する企業からTOB(株式公開買い付け)の打診を受け、有事となったために、新たに有事型の買収防衛策を導入しました。 これを受けて、村上氏は日経新聞の取材に対して、こう発言しています。 暴挙以外の何物でもない。東芝機械は19年に株主の意思で買収防衛策を廃止したと考えている。株主意思の確認を … 続きを読む→

HOYAの強み

半導体製造装置のニューフレアテクノロジーを巡るHOYAと東芝の「買収合戦」は、東芝の勝利で終わりました。東芝の発表後に、東芝より高い価格を提示したHOYAは一時は「敵対的買収か」と世間を驚かせました。ところがHOYAはその後、価格を吊り上げることなく、あっさりと身をひいたのです。 HOYAが価格引き上げで対抗しなかったのは、当初示した1万2900円が「(求める)リターンを出せる金額」(鈴木CEO) … 続きを読む→

2020年「デジタル元年」におけるGAFA

GAFA(ガーファ)と呼ばれるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンなどの米国IT企業が市場を独占し、競争環境をゆがめているという指摘があります。日本国政府は2020年を「デジタル元年」と位置づけ、これらのIT企業による市場寡占を規制するルール作りを本格化していく予定です。 2019年12月末時点の世界時価総額トップ10は以下の通りです。GAFA4社の時価総額はアップル144兆円、アルファベ … 続きを読む→

伊藤忠商事の事業投資管理

2000年以降、日本企業におけるM&Aは増加傾向にあります。それに伴い、事業のグローバル化や多角化が進んでいます。これにより、事業ポートフォリオマネジメントがますます重要になってきています。事業ポートフォリオマネジメントとは、自社が経営する複数の事業群の構成割合を最適化し、グループ全体の収益性を高め、ひいては企業価値の最大化を目指す経営管理手法のことです。 現状では、大規模な多角化企業の収益性を比 … 続きを読む→

CFOポリシー

年末年始に読んだ「CFOポリシー」はとても読み応えあるものでした。著者であるエーザイCFOの柳氏は、早稲田大学会計研究科の客員教授でもあります。本書は理論と実践が融合しており、まさに「世界の投資家の視座と企業価値創造」を意識したものになっています。 この本で特筆すべきは、非財務戦略として柳氏が独自に開発した「ROESGモデル」が詳細に説明されていることです。ROESGとは、ROEとESG(環境・社 … 続きを読む→

年末年始に読むべき本

今年最後のブログは年末年始に読むべき本を取り上げたいと思います。私がお薦めするのは、「ニュータイプの時代」です。サブタイトルは、「新時代を生き抜く24の思考・行動様式」です。私が蛍光ペンでマークした箇所は例えばこんなところです。 社会がより「不安定」で「不確実」になるということは「予測の価値」がどんどん減損していくことになります。このような時代にあって、計画に時間をかけ、立てた計画を実直に実行する … 続きを読む→

国際会計基準、7割で負債増加

日本の上場会社3,675社あるうち、国際会計基準(IFRS)を採用している企業は2019年6月末で215社です。社数で言えば、上場会社の約6%と少数派です。ところが時価総額はおよそ40%を占めます。つまり、規模の大きいグローバル企業を中心にIFRSを採用していると言えます。 2019年12月21日付日経新聞によれば、9月末時点でIFRS採用の7割の企業で3月末対比で負債が増えたといいます。東証1部 … 続きを読む→

三菱重工、事業選択に指標導入

2019年12月11日付の日経新聞によると、三菱重工業が事業継続の判断基準に財務指標を導入するようです。記事によれば、「総資産利益率(ROA)6%」と「総資産回転率1倍」が目安で基準に届かない事業は売却や撤退も含めた立て直し策を検討する予定です。 ここでROAを復習してみましょう。ROA(=Return on Asset)は当期純利益を総資産で割って算出します。言ってみれば、資産をどれだけ効率的に … 続きを読む→

レーダーチャートでみるGAFA

2019年12月4日付日経新聞「アップルは借金上手」に掲載されたGAFAのレーダーチャートは各社の成長ステージや戦略の違いがよく理解できるとても興味深いものでした。 これは、売上高成長率や有利子負債、配当などの5年平均をGAFAの5年平均と比べた割合をレーダーチャートにしています。GAFAの平均を100とした場合の割合を示していて、グレーの中心の円よりも外にあるほど相対的に大きいことを示しています … 続きを読む→

IRRの注意点再び Part2

前回はIRRの再投資の前提により、キャッシュフローが早期に生まれるプロジェクトでは、結果的に投資利回りが過大に算出されることを取り上げました。今回は「投資の延期時の評価」について書きたいと思います。 下図のようなプロジェクトを考えてみましょう。NPVは182、IRRは割引率10%に対して、14.9%ですから、NPV法、IRR法のどちらの方法でもこのプロジェクトは投資すべきということになります。 仮 … 続きを読む→

石野 雄一の本

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