日本企業の研究開発投資

日本経済新聞社がまとめた2019年度の「研究開発活動に関する調査」で、昨年に引き続き、主要企業の4割超が過去最高の研究開発費を計画していることが分かりました。

日本企業のトップは相変わらずのトヨタ自動車です。トヨタ自動車は、過去最高となる1兆1000億円を投じて、自動運転やコネクテッドカー、電動化などを進めています。同社の小林耕士副社長によれば、「CASEへの対応は(研究開発費の)4割弱を占める」といいます。

トップ3の顔ぶれ(2位ホンダ:8600億円、3位日産自動車:5500憶円)をみると、日本の研究開発投資は、自動車メーカーがけん引していると言えます。ところが、世界に目を転じるとトヨタ自動車ですらトップ10位以内に入っていません。

注:赤字で表した企業は、2005年から毎年R&D支出上位20位にランクイン
出所:Strategy& 2018年グローバル・イノベーション1000調査結果概要

世界第1位のアマゾンの2018年の研究開発費は、226億ドル(約2.5兆円)といいますから、日本でトップのトヨタ自動車と言えども投資額では見劣りします。トヨタ自動車の研究開発費の売上高に占める割合は4%です。一方、アマゾンは12%を超えるのです。

投資金額で大きく差をつけられている状況では、今後ますます研究開発投資の戦略(「選択と捨象」)が企業の明暗を分けることになるでしょう。ここでなぜ「選択と捨象」という言葉をわざわざ使ったのか。それは、何かを選ぶことは何かを捨てることであるという冷徹な現実から我々は目を背けてはいけないと思うからです。

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