東証1部という看板がなくなる日

東京証券取引所は2020年12月25日に、東証1部・東証2部・マザーズ・JASDAQ(スタンダード及びグロース)の5つの市場区分を、2022年4月1日を目途に、プライム市場・スタンダード市場・グロース市場の3つの市場区分に変更することを発表しました。

プライム市場に上場するには、流通株式比率35%以上、流通時価総額100億円以上といった条件を満たす必要があります(詳細下図ご参照)。上場基準を厳しくし、業績や時価総額などが一定水準以上の企業がそろうようにします。プライム市場は海外の機関投資家などが投資対象とするような大企業向けを想定しており、企業の質向上を促し、グローバルな投資マネーの呼び込みを狙っています。


出所:「新市場区分の概要等について」2020年2月21日 株式会社東京証券取引所

また、プライム市場に上場する企業は現在よりも厳しい企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)への適合が求められます。取締役の3分の1を独立社外取締役とするほか、女性や外国人、中途採用者などの登用が必須となることでしょう。

さらに先述した条件(流通株式比率35%以上、流通時価総額100億円以上)の計算上、流通株式から政策保有株(持ち合い株)を除くことになっています。これにより、長年の課題だった政策保有株の圧縮にもつながります。

日経新聞によれば、東証1部上場の約2,200社のうち約600社が現時点で流通時価総額100億円という条件を満たしていないといいます。多くの東証1部上場会社は、プライム市場の上場基準を満たそうと躍起になるでしょう。ただ、忘れて欲しくないのは、基準を満たすことが目的ではないということです。重要なことは上場しているということは多数の株主から資本を預かっているということであり、資本コスト(WACC)を上回る投下資本利益率(ROIC)をあげる経営が求められているということです。

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