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某メガバンクの犯した間違い

最近、私たちがレビューしたモデル(某メガバンク作成)に重大な間違いがありました。プロフェッショナルである金融機関がこのような間違いをすることは許されませんが、注意していないと誰もが犯す間違いだと思いますので簡単な例を使って説明したいと思います。

次のようなプロジェクト(ケースA)のIRR(内部収益率)を計算する場合、あなたなら、どうするでしょうか。そうです。IRR関数を活用すれば一瞬で、このプロジェクトの​IRR(内部収益率)は、2.82%と計算することができます。

それでは次のようなケースではどうでしょうか。ケースAと異なるのはタイムラインです。場合によっては、このように日付になっている(1年間隔になっていない)場合があります。このようなケースでIRR関数を使うのは間違いです。これが今回の某メガバンクの犯した間違いなのです。

ケースAでは、年度が1年間隔になっているのに対して、ケースBは3か月毎の日付になっていることに注意する必要があります。ケースBにIRR関数を使うとケースAと同じ2.82%と変わりません。しかし、タイムラインが日付になっている場合は、IRR関数ではなく、XIRR関数を使う必要があります。

XIRR関数は、定期的でないキャッシュフローに対するIRR(内部収益率)を計算することができます。書式は、XIRR(範囲, 日付, 推定値)です。範囲はCFの範囲を表し、推定値は省略することが可能です。

IRR関数では、IRR(内部収益率)が2.82%なのが、XIRR関数を使えば、11.78%となります。実際にキャッシュが入ってくるのは、1年に1回ではなくて、3か月毎なのですから、IRR関数を使うのが間違いということはよく考えれば当たり前です。

IRR(内部収益率)が2.82%と11.78%とでは大きな違いです。IRR関数で計算し2.82%を見てこの投資はNGであるという意思決定をしたとしたら、大変なことになります。IRR(内部収益率)を計算する場合には、タイムラインに注意する必要があるのです。

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