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「日経平均10万円」時代が来る!

2024年2月22日に日経平均株価が1989年末の高値を超えました。バブルがはじけ、長期の低迷に沈んだ「失われた30年」から抜け出すのでしょうか。そんな時に、この本『「日経平均10万円」時代が来る!』を手に取りました。本書では、日本の経済と株式市場に関する深い分析と、将来に対する楽観的な見通しを展開しています。著者の藤野英人氏は、日本株が見せる上昇トレンドは一時的なものではなく、長期的に見れば今後の日本株市場は右肩上がりに上昇するとの述べています。これには根本的な要因があり、さらに、日本経済の構造的変化と密接に関連しているといいます。

まず第一に、海外投資家による日本株の購入です。著者は、海外投資家がなぜ日本株に注目しているのか、について、日本企業の変革、ガバナンスの向上をその理由として挙げています。これらの変化が、海外から見た日本の企業価値を高め、投資意欲を刺激しているのです。特に、ネットで「JTC(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)」と揶揄されるような日本の伝統的な大企業の文化が大きく変わりつつあるというのです。

従来「眠くて退屈」とされていた日本の大企業が、イノベーション、多様性の尊重、サステナビリティへの取り組みを強化することで、よりダイナミックで魅力的な経営を行うようになっています。特に、住友商事、味の素や第一生命などの企業が、数字だけでなく「パーパス」を重視する経営を行うことで、社会的な価値と経済的な価値の両方を追求している例が紹介されています。

そして、日本経済の構造的な変化です。デフレからインフレへの転換、労働力不足による人材確保の難しさなど、日本経済を取り巻く環境の変化が詳述されています。これらの変化が、株価上昇の背景にあるとともに、投資家にとって新たなチャンスをもたらしていることが強調されています。

一方で、著者は、インフレが経済成長の一因となり得るものの、同時に社会的な格差を拡大させる可能性もあると指摘します。この点において、資産形成の機会を広げ、より多くの人々が経済的に自立できるような環境を作ることが重要だと述べています。そのためにも、多くの日本人に根強い 「投資は悪」という固定観念を払拭し、個人が積極的に資産を形成する文化を育てることの必要性を論じています。

著者は、投資が単なる資産増加の手段ではなく、社会的な価値を生み出し、より良い未来を築くための行動であるべきだと主張しています。働く人や消費する人は、「労働者」や「消費者」と呼ぶのに、投資する人や起業する人は、「投資家」や「起業家」と呼びます。「〇〇家」というのは、”普通の人ではない”というニュアンスが宿っているのではないか。著者は、「投資者」「起業者」という言葉を使うことを提唱しています。労働や消費と同様に投資や起業が全く特別なことではなく、全ての人が「労働者」「消費者」「投資者」「起業者」としての多面性を持つことが、社会全体を強くし、未来を明るくすると結論づけています。

「日経平均10万円時代が来る!」は、読者に対して、経済的な視点だけでなく、社会的な責任と持続可能性への意識を持って、投資という行為に取り組むことの重要性を説く一冊です。1兆円を運用するプロの投資家である藤野英人氏が選ぶ「10年後をつくる銘柄」とその理由を読むだけでも価値ある一冊と言えます。一例をあげると、私は藤野氏が、「日本取引所グループ」を投資対象として魅力が高まっていると紹介していて驚きました。

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