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2049 日本がEUに加盟する日

1995年Windows95が発売されました。初めて購入したPCでインターネットに接続したときのあの身震いするような感動は今でも鮮明に覚えています。まさに世界とつながったと感じた一瞬です。この1995年はまさに「世界の始まりの年」だと言えるでしょう。この年、その後のグローバリゼーションとデジタル時代の金融システムを一気に進めた三つの出来事が発生しているからです。

まずは、先述した「Windows95」の登場です。この使い勝手のよいOSによってそれまで一部の人間しか扱えなかったコンピューターが私たちのような一般ユーザーに使うことができる、まさにパーソナル・コンピューターになったのです。それと同時にインターネットが急速に普及しました。

二つ目は、インターネット接続ブラウザを提供するネットスケープ・コミュニケーション社が1円の利益も出さないまま株式を公開しました。「ITがカネになる現代のゴールドラッシュ」だとIT業界に多くの人々を惹きつけることになりました。これが今に続く、「ニュー・エコノミー」の始まりです。

そして三つ目は、ゴールドマンサックス出身のロバート・ルービン財務長官がドル高政策に大きく舵を切り、世界のマネーを集めたのです。1985年のプラザ合意以来、製造業のためにドル安政策を続けていたアメリカです。この時のドル高政策によって製造業を切り捨てたと言えます。そして、だぶついたマネーはベンチャー企業への投資に向かいました。

2019年の現代においては、GoogleやFacebookをはじめとするIT企業が台頭し、いまやパーソナル・コンピューターどころか、スマホとWiFiがあれば、世界各地のどこにいても瞬時に連絡をとることができるようになりました。まさにボーダーレスな時代になったと言えます。

ところが、GoogleやFacebookなどのIT企業が個人情報を使って巨額の利益を生み出している一方で、税金をほとんど払っていないことに対する風当たりが強くなってきました。これがEUにおける「一般データ保護規則(GDPR: General Data Protection Regulation)」施行につながりました。簡単に言えば、今後は個人情報を収集して広告主に勝手に販売するようなことが出来なくなることを意味します。

高城剛氏はこう言います。


GDPRは欧州内のインターネット(の道徳や社会)をGoogleやFacebookがまだ登場していなかった1995年まで戻すと明言している。端的に言えば、インターネット上における欧州の外堀に「壁」を建て、データを一切持ち出せないようにし、行き過ぎたインターネットを再構築する(時計の針を戻す)法律なのである。ベルリンの壁が崩壊してから、まもなく30年。いま、ドイツ発欧州のサイバー空間に、「新しい壁」が建とうとしている。
出所:「分断した世界 逆転するグローバリズムの行方(高城剛著)」


世界をつなげたインターネットは、ついに「分断」の時代を迎えます。世界はどこに向かおうとしているのか。そのひとつの答えがここにあります。とても刺激的な本です。お薦めします。
2049 日本がEUに加盟する日 HUMAN3.0 (高城剛著)」

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