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Invent & Wander ジェフ・ベゾス

Amazon創業者であるジェフ・ベゾス自らの言葉による初めての書籍となれば、読まずはいられないでしょう。内容は2部構成です。Part1では、上場した1997年から2019年まで、毎年ベゾスが株主に向けて書いてきた手紙が時系列に掲載されています。Part2は、インタビュー、講演などがテーマ別に並べられています。

私のお薦めは、まずはPart2から読むことです。なぜなら、ベゾスの哲学が理解できるからです。その上で株主への手紙を読めば、よりベゾスという人間像に肉薄できる気がするのです。では、ベゾスの哲学とはなんでしょう?まず挙げられるのは、「長期思考」でしょう。上場した1997年の株主への手紙にはその哲学が色濃くでています。

We believe that a fundamental measure of our success will be the shareholder value we create over the longterm.(私たちはアマゾンの成功を判断する基本的は評価基準は、長期的に私たちが創造する株主価値であると信じています)

When forced to choose between optimizing the appearance of our GAAP accounting and maximizing the present value of future cash flows, we’ll take the cash flows.(一般会計原則に基づく財務諸表の見栄えをよくするか、将来のキャッシュフローの現在価値を最大化するかを迫られたときはキャッシュフローを優先します)

We will continue to make investment decisions in light of long-term market leadership considerations rather than short-term profitability considerations or short-term Wall Street reactions. (私たちは短期的な利益の追求やウォールストリートの反応よりも長期的なマーケットリーダーシップをとるために継続して投資を行います)

この発言はその後も何度もいろいろなところで出てきます。そして、未来を見据えた時にベゾスが大切にすることは、「変わっていくもの」ではなく、「変わらないもの」です。変わらないものとは、「お客様はより安く、より早く、より品揃えの多いサービスを求めている」ことです。だからこそ、アマゾンはその「変わらないもの」に集中するわけです。

最後に意思決定の根っこにあること。それは「頭ではなく心に従うこと」です。アマゾンを創業したとき、そしてワシントン・ポストを買収したとき、いずれも頭ではなく、心に従って決定したといいます。「80歳になったときに振り返って後悔の数が少ないほうを選ぶ」これがジェフ・ベゾス流です。

毎年の株主への手紙では、株主に向けて、アマゾンはなぜ、これを行うのか、あるいはやめるのか、数字を示しながら、明快に説明していきます。ベゾスは、アマゾンにとっての究極の財務指標は、一株当たりフリーキャッシュフローだと明言しています。この指標こそが、アマゾンの長期成長の最大の原動力だと考えているからです。稀代の経営者であるジェフ・ベゾスの肉声は多くのビジネスパーソンに勇気を与えてくれると思います。

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