トルネードチャートという道具

大手商社でリアルオプションについて講義をすることが増えてきました。商社という業界は従来の口銭ビジネスから投資型のビジネスにシフトしています。今や日本企業の中でも、最もファイナンスの知識が必要な業界と言えます。

最近、資源価格の下落で多額の減損を余儀なくされた大手商社にとって、将来の不確実性をどのようにとらえるかというのが重要なテーマになっているわけです。こうした流れを受けて、リスク分析のツールのひとつとして、トルネードチャートの稟議書への添付を必須としている商社もあります。トルネードチャートとは感度分析の結果を図示する手法のひとつです。

下図の通り、図の形が竜巻(トルネード)のように見えることから命名されました。

これは感度分析の対象となる変数を一つずつ、取り得る変動幅で動かした結果を横棒グラフで表し、結果の変動幅の大きい順に変数を並べています。これにより、結果(ここではNPV)の上限値と下限値、およびその変動幅の大小の順位が一覧できます。

上の例では、市場規模の変動幅がNPVに与える影響が一番大きく、反対に変動費、固定費、投資額の影響は小さいことがわかります。これにより、重要な変数に注意を集中することが できるわけです。変動費や固定費の予測にリソースを投下するよりも、市場規模や価格の予測に注力した方がいいわけです。

ちなみに、変数の変動幅が分からない場合は一定率(±5-10%)を用いるのが一般的です。トルネードチャートをはじめとしたリスク分析の手法、リアルオプションに関するセミナー「意思決定のためのファイナンス」を2017年10月15日(日)開催しますので、興味がある方はぜひご参加下さい。

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