企業価値向上のための資本コスト経営

2018年6月に東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを改訂しました。この改訂コーポレートガバナンス・コードでは、上場会社は企業価値向上のための経営戦略として、資本コストを意識した経営判断や経営運営を行うことが求められています。

「経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、自社の資本コストを的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を提示し、その実現のために、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発・人材投資等を含む経営資源の配分等に関し具体的に何を実行するかについて、株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行うべきである」(原則5-2)

自社の資本コストを的確に把握することの重要性が指摘されてはいるものの、いまだ浸透しているとは言えません。この要因のひとつとして、資本コストは「算出方法や前提条件によって数値が異なる」といった問題が指摘されていました。最近では、「事業部門ごとに資本コストを算出すべきだが、その具体的な方法がわからない」という声が多く聞かれます。

確かに、資本コストの算出方法が大事なのはもちろんです。ただ、資本コスト算出が目的ではありません。コーポレートガバナンス・コードにある通り、資本コストを意識した経営を行うことで企業価値向上を図ることです。そして、株主をはじめとした関係者とコミュニケーションをとることです。

企業価値向上に結びついた経営を行っているかは損益計算書だけを見てもわかりません。資本コストを超える投下資本利益率(ROIC)を稼ぐことができてそれは達成できます。わかっちゃいるけど、具体的にどのように自社に資本コスト経営を導入すればいいのか。そして関係者とどのようにコミュニケーションをとればいいのか。そんな悩みを抱えている企業の実務担当者にとってヒント満載の書籍が「企業価値向上のための資本コスト経営」です。一読をお薦めします。

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