日立4.5兆円を成長投資へ

日立製作所(以下日立)が攻めに転じます。2019年6月に発表された中期経営計画で今後3年間でM&Aや研究開発、設備投資に合計約4.5兆円を向けるとしています。日経新聞の報道によれば、投資資金の原資は、営業キャッシュフローで2.5兆円、非中核事業や持ち合い株式の売却で8000億円、現預金2000億円、残りの1兆円は借入や社債のようです。

出所:CEO Remarks Hitachi IR Day 2019

日本企業の課題のひとつである「持ち合い株式」について同社の西山CFOは「ゼロにするのは難しいが、できる限り減らす」と言っています。約4.5兆円の成長投資は19年3月期までの3年の約2倍の規模です。

日立は2006年には22社あった上場子会社を、今では日立化成と日立金属、日立建機、日立ハイテクノロジーズの4社にまで減らしています。東原社長は上場子会社について「4社のトップと世界で事業を伸ばしていくためにどうすればいいかを議論している」とグループ再編の進捗を語っています。

日立はコモディティー化する事業や低収益の事業から撤退するなど、2012年以降、事業の入れ替えを徹底的に行ってきました。投資を抑制し、2019年3月末で有利子負債は約1兆円と低い水準になっています。

出所:日立製作所有価証券報告書 オントラック作成

日立の2019年3月期のROEは6.8%と日本企業の平均10%と比較すると見劣りします。成長資金4.5兆円のうち1兆円を有利子負債で調達するというのも財務レバレッジを高めることでROEを高めようという考えもあるのでしょう。日立製作所の成長戦略が実を結ぶことになるのか、これからも期待して見ていきたいと思います。

動画配信開始