税金をどう考えるか

米アップルの子会社が、東京国税局の税務調査を受け、所得税の源泉徴収漏れを指摘され、約120億円の税金を追徴され、同社は争わずに全額すでに納付しました。

税率が低いアイルランドに知的財産を集め、同国に利益を移して税額を抑える手法が外資系企業で活用されているようです。

日経新聞「「アップル」が示す国際課税競争を憂う」(2016年9月1日付)によれば、欧州連合(EU)の欧州委員会も米アップルに対して追徴課税しようとしてします。


欧州連合(EU)の欧州委員会は、アイルランド政府が最大で130億ユーロの違法な税優遇を米アップルに与えたとして、過去の優遇分や利息を追徴課税で取り戻すよう同国に指示した。

これに対しアイルランド政府やアップルだけでなく米政府も反発している。行き過ぎた税逃れを防ぐのは当然だが、健全な企業活動への目配りや国際的な課税競争を防ぐ視点も求められている。

日本の独占禁止法にあたるEU競争法は、加盟国が特定の企業を優遇する「国家の補助」を禁じている。域内の公正な競争が妨げられたとして、欧州委はアップルの例を「違法」と断定した。

欧州委によるとアップルは2003年から14年にかけ税優遇を受けていた。実体のない部署に利益を集めて節税できるようになり、14年の実質的な法人税率は0.005%にとどまったという。


「企業は社会の公器である」と言っていたパナソニック創業者の松下幸之助氏は税金をどのように考えていたのでしょうか。

月刊誌『Voice』1986年3月号でこう言っています。


「まてまて、ぼくがこれだけ儲けたといったところで、このカネはもともとぼくのものではない。いうなれば世間のカネ、世の人びとの共有財産である。自分のカネであればたくさんとられるのはかなわんけれども、もともとぼくのカネではないのだから、それを税務署がなんぼとろうとご自由や」

そこで「結構です。そちらの思うとおり調べて下さい」と言って、気持よく再調査に臨むことができたのでした。

それからも私はずっとそう考えてやってきました。こっちもウソを言わないかわりに、向うもムチャを言わない。そのうちに、いつの間にか理解ある納税者の一人と言われるようになりました。


社会貢献の基本は納税をすることと考えていた松下氏です。とは言っても、日本の税制やその使い方に不満を持っていたのは確かです。

企業価値を高めるためには、フリーキャッシュフロー(FCF)を高め、資本コスト(WACC)を下げる必要があります。

FCF=営業利益×(1-税率)+減価償却-設備投資-運転資本増加額

FCFの定義にある通り、税率を下げることが出来れば、FCFを増やすことにつながり、結果的に企業価値は高まるわけです。ただ、それが行き過ぎるのも問題だと思います。

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