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ウクライナ侵攻がESG投資を変える

ロシアのウクライナ侵攻を巡り多くの企業がロシアからの撤退を表明しています。日経新聞によると、3月15日現在でロシア事業の撤退などを表明した企業はすでに300社を超えるといいます。また、機関投資家もロシアで事業を継続する企業を避け始めています。実際、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)をはじめとする米国の公的年金基金はロシア関連資産の売却を検討し始めているといいます。

今回のウクライナ危機は、ESG(環境・社会・企業統治)投資のあり方に大きな変化をもたらしました。それは、ロシア関連企業や事業からの撤退だけでなく、防衛産業にも影響を及ぼしています。近年では、武器取引をめぐる論争に巻き込まれるのを避けるため、多くのESG投資家は防衛産業を投資の対象から外していました。

ところが、ESG投資家も銃をとる日がやってきたようです。スウェーデン金融大手SEBは、社会の持続可能性に配慮した経営を進めるため、昨年、防衛関連株を自社ファンドの投資対象から除外する方針を打ち出していました。ところが、2022年1月にその方針を見直したことが報道されました。

ウクライナ軍が、欧米からの武器供与を受けながら、ロシア軍に必死で抵抗する姿は、民主主義と人権を守るためには、きれいごとでは済まされない現実を私たちに否応なしに突き付けます。武器なくして、民主主義と人権を守ることはできない。だからこそ、ESG投資の観点から、防衛産業に投資すべきなのだとSEBは判断したのでしょうか。自国の平和のためには時に武器を持って戦わねばならないのはわかります。ただ、防衛産業に投資することが果たしてESG投資なのか、何か割り切れないものを感じます。

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