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世界の時価総額、1日で330兆円消失

1日で330兆円が消えて失われた。なんともショッキングなタイトルです。昨日(2016年6月26日)の日経新聞の記事の一部です。


英国が欧州連合(EU)離脱を決めたショックでグローバルに株安が連鎖し、先週末24日の1日だけで世界の株式時価総額は約3.3兆ドル(330兆円強)と全体の約5%に相当する額が消失した。


こんな記事を読むと私が思い出すのは、寺田寅彦という物理学者の随筆です。

原文が手元にないので、記憶は定かではないのですが、その随筆には、こんなことが書いてありました。

「掃除というのは、ゴミを自分の家から他の場所へ移動するということだ。」

随筆を読んだのは、大学生の頃だったでしょうか。掃除という出来事がその視点によって意味合いが異なることに驚き、まさに目から鱗が落ちる思いでした。

地球レベルで言えば、掃除とは、まさにゴミが他の場所に移動しただけに過ぎない。言われてみれば、その通り。では、ゴミを焼却したらどうでしょう。ゴミがガスや水蒸気、熱エネルギーに変化しただけ、つまり、エネルギーの状態が変わっただけであって、宇宙レベルから言えば、何も変わっていないと言えます。

330兆円のキャッシュは、このゴミと同じで物理的に株式市場から他の場所に移動しただけです。消失とはなんと大げさな、消えてなくなったわけではない。人類の富がなくなったというのとわけが違います。

先週末の株式市場では、多くの企業の株価が大幅に下落しました。中にはその企業の本質的価値よりも大きく価格を下げたものもあるはずです。

あの伝説の投資家ウォーレン・バフェットは、言っています。

「投資を成功させるためには、良い企業の株を、その企業の真の価値よりも大きく下回った市場価格で取引されているときに購入すること。」

ファイナンスとは価値算定の方法論です。自分の価値基準を持っていることが有り難いと思うのは、まさにこんな時です。

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