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アマゾンの投資哲学

上場から20年で株価が約500倍になったアマゾンですが、ジェフベゾスCEOは、キャッシュフローを重要視することでも有名です。以下の文章は1997年の株主への手紙の中の一部です。

We believe that a fundamental measure of our success will be the shareholder value we create over the longterm.(私たちはアマゾンの成功を判断する基本的は評価基準は、長期的に私たちが創造する株主価値であると信じています)

When forced to choose between optimizing the appearance of our GAAP accounting and maximizing the present value of future cash flows, we’ll take the cash flows.(一般会計原則に基づく財務諸表の見栄えをよくするか、将来のキャッシュフローの現在価値を最大化するかを迫られたときはキャッシュフローを優先します)

キャッシュフローを重視する姿勢は、同社のCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の数値にもあらわれています。CCCの定義は、売上債権回転日数+棚卸資産回転日数-支払債務回転日数です。ざっくり言えば、CCCは入金と支払のギャップ期間ですから、この期間の運転資本が必要ということになります。

日本の電機メーカーであれば、だいたいCCCがプラス40日から50日ですが、アマゾンのCCCはマイナス25日となっています。CCCがマイナスであるというは、運転資本がそもそも必要がない、ビジネスをやればやるほどキャッシュがたまっていくビジネスをしているということです。

そのたまったキャッシュをアマゾンはさまざまな分野に投資を行ってきました。その投資哲学は1997年の株主への手紙の中にあります。

We will continue to make investment decisions in light of long-term market leadership considerations rather than short-term profitability considerations or short-term Wall Street reactions. (私たちは短期的な利益の追求やウォールストリートの反応よりも長期的なマーケットリーダーシップをとるために継続して投資を行います)

We will continue to measure our programs and the effectiveness of our investments analytically, to jettison those that do not provide acceptable returns, and to step up our investment in those that work best. We will continue to learn from both our successes and our failures.(私たちはプログラムや投資対効果を分析的に評価していき、許容できるリターンをうまないものからは撤退し、うまくいっている投資についてはさらに力を入れていきます。私たちは成功と失敗から学び続けます)

We will make bold rather than timid investment decisions where we see a sufficient probability of gaining market leadership advantages. Some of these investments will pay off, others will not, and we will have learned another valuable lesson in either case.(私たちはマーケットリーダーの優位性を獲得できる十分な可能性があると考える場合、臆病になるのではなく大胆に投資の意思決定をしていきます。そのうちのいくつかはうまくいくでしょうし、そうでないものもあるでしょう。どちらのケースでも、私たちは貴重な教訓を得ることができると考えています)

20年たった今も2016年の株主への手紙と一緒にこの手紙が添付されています。上場時に約束したことを今後も継続して行っていくというジェフベゾスCEOの経営者としての想いが感じられます。

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